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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第38話 バルトマンの過去(前編)
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も渋々女の元へと向かった。

「貴方は大人に良いように利用されることに何とも思わないの!?」
「別に構わない。俺には何も無ければ何かしたいこともない」
「寂しい子。だったら世界も見たこと無いのね?」
「世界………?」
「この世界は多数あって様々な生物や人々が暮らしている。魔法の全く無い文化もあればここよりかなり進んだ文明を持つ世界もある。貴方はそういう世界、見たいと思わない?」












「その誘いはあの時の無気力の俺に何かを芽生えさせたのは確かだった。感情も録に無い俺が初めて自分の意思を持った瞬間だった………」

そう言ったバルトさんの目はその時を懐かしんでいるように見えた。
世界………同じように子供だったのなら世界という広い世界を見て見たいと思うのも必然だったのかもしれない。

「で、どうしたんです?」
「女に提案されてな、『私に協力してくれればその手伝いをするわ』と。俺は迷わず女を解放し、逃げる手伝いをした。全員寝静まっているし、起きてるやつは気づかれる前に後ろから電気ショックで気絶させた」
「電気ショックとは………威力を弱めるのも相当技術が必要な筈だ。………元々天才的な戦闘スキルを持っていたって事だね」

そんなスカさんの説明に納得する皆。

「そして大体1週間後、その教会は敵側の国に襲撃を受けた。俺も戦ったが、レベルが違いすぎた。いつの間にか気を失っていた俺は気がつけば大きな茂みの中にいた。吹っ飛ばされたのか分からないが、取り敢えず大きな怪我もなく身体に深刻な影響はなかった。静かすぎる周りの様子を見るため、起き上がると、そこにあったはずの教会が廃墟となっていた。シスターヘイトもケントも誰もいない。ただ、教会の焼き後がそこにあるだけだった」
「そんな………」
「じゃあその女は約束を破ったってことか!?」
「酷い………!!」

「そんなものさアギト、優理。所詮口約束って事だ。それにあの場所は無くなった方が良い」

経験した本人にそう言われ、押し黙ってしまうアギトと優理。

「それで………バルトさんはその後どうしたんです?」
「その後の俺は傭兵として各地を回り、自分の名を上げた。あの時は両方の国はこぞって強い奴を傭兵として雇用したがっていたからな。俺は戦闘訓練もしていたし、電気変換気質でもあったから高く売れた、後は殺し、逃げ、戦い、生き残る。その繰り返しだ。その内に金も貯まっていってな。その金でこのアグラットから出ようとした。あの女が言っていたように色んな世界を見るために。そして恐らく10年位たった後か………年齢で恐らく15、6位か?ジジイに会ったのは………」














「アグラット………想像以上に酷い国だったな…
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