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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第38話 バルトマンの過去(前編)
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敵の国の女性だった。………まあそれは別で実際は捕虜のふりをして入り込んだスパイだったんだが………」
「もしかしてバルトさん、その人を………」
「ああ、逃がした。不意に疑問を持った俺は、足らない自分の言葉を懸命に使いながら女に話しかけた。『救いって何?』ってな」
興味本意だった。
別に可哀想だとか、救ってやろうとも思っていなかった。
「………誰?」
「………」
問いかけられても何も答えずバルトは女の元へと歩いていく。
女は20代位で両手を鎖で繋がれ、裸であった。
全身傷だらけで、太股に白い線の後ができていた。
「何?もっと相手してほしいの?」
「………」
「それとももっと殴りたい?好きになさい」
自暴自棄になっているように見えたが目には光があった。
何か希望を持っているように見えた。
「気味が悪い、ここに来て初めて話しかけた子がこんな無反応な子だったとはね………」
実際に実習が行われている際は口は塞がれ、言葉を発せられないようにされている。
「………聞きたいことがある」
「聞きたいこと?」
「救いって何?」
「えっ!?」
女は驚いていた。
救いだ救いだと好き放題する子供にそれを教える大人。誰もが意味など考えずその行いこそ正義だと言い聞かせている中で、この気味の悪い少年は疑問に思ったのだと。
「救いと言いながら笑顔で死んでいった奴と違って捕虜の人達は皆笑顔で死んでない。………本当に救われてるのか?」
「………何を言ってるの?頭おかしいんじゃ………」
「シスターヘイトからは戦い、笑顔で死ぬことが最高の救いだと言っていた」
「それを鵜呑みにして信じてるの!?バカじゃない!!何も救われていないわ。ただ単にあなた達を利用するために大人達が勝手に言っていることよ!!」
「じゃあ救いって何?」
そんなバルトの問いに女は少し考え込み、何かに閃いた顔をした後、口を開いた。
「困った人を助ける事、救いの手を差し伸べる事。あなた達のやって来た事は救いの手を差し伸べたんじゃない。むしろ追い払っていたのよ」
そう言われたバルトは少し何も喋らず考え込み………
「そうか」
「えっ?ちょっと!?」
そうかと納得したバルトはそのまま部屋から出ようとしたので慌てて女はバルトを止めた。
「どこ行くのよ!!」
「帰って寝るだけだが?」
「助けてくれないの?」
「?何故助ける必要がある?」
「だって貴方、ここの大人達が教えていることに疑問を持ったから私に話しかけたんでしょ!?」
「ああ。で、分かったから帰ろうと………」
「そこがおかしい!!いいからこっち来なさい!!」
あまりにも必死だったのでバルト
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