第七十四話 獣の伝説
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一回り程度大きいマーレは当然力もそれ相応に強く、不意打ちだったとはいえレイはその場に倒れこむ。
「とりあえず逃げるんならさっさとしろ。訳は聞いてやる」
「あ、ああ……分かった。とりあえず格納庫に……」
「MSのドックって事か?いくつかあるだろうが……お前の機体ならこっちだ」
アスランにとってもマーレがこの状況で味方をするとは思っていなかった為、驚いているがひとまず他に手立てもない事から彼についていく事にする。
「何故、レイではなく俺の方を?」
走りながらとはいっても基本的に身体能力が高く、先程とは違いすぐ後ろから銃を撃ってくる相手もいない為、多少の余裕をもって話しかけるアスラン。マーレは相変わらず不機嫌そうな顔をしたままアスランの問いかけに対して応えた。
「勘だ」
「は……?」
「だから勘だって言ってるだろ。まあ、詳しい説明もなしに銃を突き付けられただとか、言ってる内容が要領得ないってのもあるがこの状況ならお前の方がまだ信用できるって思っただけだ」
「それは……大丈夫なのか?」
アスランは少々呆れた様子でマーレを見るものの、マーレも自分は一体何をしているのだという自覚がある為それ以上応えない。
「ともかく、さっさと自分の機体に乗り込め。どこか行く当てはあるのか?」
「……一応はな。ザフト内ならジュール隊かミネルバだ。だが、彼らの所よりもコペルニクスの方が良いかもしれない」
『地上は?セイバーやコイツなら十分もつだろ?』
アスランもマーレも自分の機体に乗り込み、通信を開いてそのままマーレの方から話しかけてくる。
「いや、確かに地上に向かうのも手ではあるが……それでは議長のデスティニープランに対する対応が後手に回ることになる」
『デスティニープランに対する対応?ちょっと待て、アスラン――――やっぱりお前の方が裏切ったのか?』
「そんなことあるか!アレはレイの方が先に手を出してきたんだぞ。だが、デスティニープランへの疑念はある。すぐにでも対応できる場所にいなくては何もかも手遅れになってしまうかもしれない―――――」
そう発言したアスランの言葉の内容をマーレは自分なりに吟味し、どうするべきか提案する。
『――――ならミネルバの方に向かう方が良い。グラディス艦長なら話は通じる。あの人は軍規に厳しいが、その割にはいざというときにすぐさま対応する柔軟さも持ち合わせてるからな』
「しかし……」
アスランとしてはザフトに、いや正確にいえばレイやデュランダル議長に裏切られた現状で信用するのは難しい。
『お前が何をするにしてもザフトにも味方はいるはずだ。態々そいつらまで避けて行動すれば後々に自分の首を絞めることになるぞ。ジュール隊だったか?そい
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