第七十四話 獣の伝説
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させたところで、両者の動きは止まった。
「マーレ!何故ここに!?」
「テメエこそどういうつもりだ、アスラン!いきなり襲い掛かってくるなんざ、良い度胸してるじゃねえか?」
アスランが攻撃を仕掛けた人物はラー・カイラムにいるとばかり思っていたマーレだった。予想外の人物に動きが止まるが、追手であるレイがやって来る。
「あなたもそこにいたんですか――――マーレ・ストロード」
軍靴の足音を響かせて銃を構えながら近づいてきたレイ。その様子に訝しむような表情をしつつマーレは答える。
「ああ、機体をこっちで調整していた。いくら最新鋭艦って言った所でラー・カイラムがメサイアに設備で優っているなんてことはないしな」
そう言いつつマーレはレイに対して警戒を強める。逃げる様子でいたアスランと銃を持ってその彼を追いかけてきたレイ――――状況はつかめないが説明をされていない現状でどちらを警戒するかと言われれば、自ずと危険度の高い銃を持っているレイの方になる。
さらに言えばそれなりの付き合いがあるマーレからしてみればどっちもどっちではあるものの、アスランの方がまだ状況をまともに把握できる人間だと思ってもいた。議長崇拝のレイはこういった状況で信頼できるかと言われれば怪しい。尤も彼のナチュラルに対する差別思考はレイの事を言えた義理ではないだろうが、自覚しているあたりまだマシだと言えるだろう。
「マーレ・ストロード、彼を捕らえてください。彼――――アスラン・ザラは議長に対し謀反を行った疑いがあります」
「ぬけぬけとよくもそんな事が言えるな……」
レイが言った言葉にアスランが反論するがさして気にした様子も見せずにレイは言葉を続ける。
「事実でしょう?ギルの考えに賛同できないというのなら貴方の役割はここで終えるべきです」
突き付けられる銃口。しかし、マーレが間に立っているためレイとしても即座に撃つようなことはない。だが、目線が邪魔をするならばお前ごと撃つといった様子だ。
「チッ、穏やかじゃねえな。もうちょっとわかりやすく説明しろ。お前らだけで話が進んでも俺はどっちにつけばいいか分からないだろうが」
「別段、どちらかの味方に付く必要はありません。ただ、今立っているように邪魔はして欲しくないのですが――――ああ、貴方も裏切るというのなら構いませんよ?その時は貴方も同様に撃たせて頂くことになりますが」
マーレはその言葉でどちらに味方するべきかを決める。レイが銃を構えた状況に対して相手の呼吸に合わせて不意を突く様に間合いを詰める。銃を持っている状況で零距離にまで持ち込まれたレイは咄嗟に動きを合わすことが出来ず、銃を持つ手首を掴まれ、そのまま膝蹴りを腹に入れた。
「グッ……!?」
体格的にシンやレイよりも
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