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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
遠坂凛とアーチャー
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で捌かれる寸前の魚を見るような冷たい視線が二つ。
やめてください、そんな目で僕を見ないでください。
今すぐ冬木と新都を結ぶ鉄橋まで行って飛び降りたくなります、もう死にたい的な意味で。
「……君は、コレに真面目に敵意を抱くのかね?」
「起きたばっかりなのに頭痛くなってきた…………コレはともかくとして!」
代名詞で呼ばないで名前で呼んでください。
今すぐ言峰教会に全力疾走して懺悔しに行きたくなります、精神的に死にたい的な意味で。
つまりダメージ的に鉄橋飛び降り=言峰神父への懺悔である。
「現状は貴方の判断なんだから、マスターに対する説明責任は果たしなさい」
「……私が代行して訪問者に対応するよう命じられたが、それは直ちに追い返せという趣旨ではないと了解していた。
彼らは交渉の為に訪れたというため、凛が目覚めるまでの間応対をしていたまでだ」
「貴方の基準において、家の中へ招き入れるのは適切だったのね?」
「よもや攻め込みに来たわけでもない。昨日の一件に纏わる話はさておき、今後の状況についての話し合いは我々にも必要だ」
「そう。わかったわ」
ん? やけにあっさり納得したな。
内心かなりご立腹だと思ってたんだが、そうでもなかったのか。
さっきから声を出せない代わりに目で訴えているのだが、ようやくこちらを一瞥した凛が意思を汲み取ってくれた。
「代行させた以上、私はアーチャーを信用してそうさせた。つまり彼の判断は私の判断と同義なのよ」
思ってた以上に二人の信頼関係は強固なようだ。
アーチャーは凛の方針をあまり守っていない印象があったのだが、それも許容してこそのマスターだということか。
ウチのフェンサーは問題もなくはないが、基本的に俺の言い分は聞き入れてくれるのでまだ楽である。
「他意がないのなら、今の段階で黎慈と話すのは悪手ってこともないもの」
「……まぁ諸々の半分ほどは、主への嫌がらせだがね」
他意ありまくりだった。
俺たちを家に居れたのも凛のお気に入りの紅茶を出したのもそういうことなのだろう。
ソファに置いてあったクッションがばふっとアーチャーの顔面に叩き付けられる。
言わなければいいものをわざわざ付け足して、再度叱られながらもふてぶてしいことこの上ない弓兵。
けれど、先ほどのやり取りでわかったことがある。
彼は凛に対して、決して嘘を吐かないのだと思う。
時には勝手な行動を取るが、理由を問い質せばキチンとした答えを返す。
場合によっては凛が聞かずとも自らの考えを話すし、凛が決定した事でも不服があれば異議申し立てをする。
一見捻くれているように見えるが、別の側面から見ればバカ正直とも言える
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