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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
遠坂凛とアーチャー
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「────────」

 思わず緊張で硬直する。
 様々な思考、言葉が頭の中を駆け巡るが、どういう対応が適切か判断できない。

「ふむ。フェンサーとそのマスターか。こうして直接言葉を交わすのは初めてかな」
「……そうなるな。中に凛は居ないのか?」
「答える義理はない……と言いたいところだが、そういうわけにもいかなくてな。
 ある程度の察しは付いているが、そちらの用件はどのようなものだ?」

 あれ、何か話は通じるっぽい。
 
 俺の勝手なイメージだと『自分からノコノコやってくるなんてなぁヒャッハー!』なサーヴァントだと割と本気で思っていた。
 状況から推察するに、恐らく何かしらの理由で出て来れない凛の代わりに、しつこい来客に応対してこいとでも言われたんだろう。

 場合によっては最悪、即時撤退戦も考慮していただけに少し気が抜けた。

「昨日は途中で帰っちまったからな。学園についてどうなったか聞きたかったんだ。
 あー、そうだな。よければキャスターとバーサーカーについての意見とかも交わせればありがたいかな」

 隠してもしょうがないので、ありのまま用件を述べる。
 ついでにアーチャーを見て改めて考えてみると、割と今の戦況は難しいものになっている。

 現状柳桐寺に篭っているキャスターとアサシン。
 所在は不明だが相対せば最強と断言できるバーサーカー。
 単独で攻略するのは非常に困難で、どちらも戦略上誰かとの共同戦線が必須だ。

 そこらへんの話をまとめて出来れば、こちらとしては助かるんだが…………

「なるほど。概ね凛との交渉のために、わざわざ敵地にまで赴いたと」
「そーですよ。戦闘意思はないし、無理を強請るつもりもない。出来ればでいいんで、アンタのマスターに取り次いでもらえないか?」
「いいや、その必要はない」

 なんかお断りの言葉をスゲー即答された。
 ここまでスパッと言うあたり、追い払ってこいとでも言われたんだろうか。
 
 駄々を捏ねても仕方ない。多分呼び凛アタックで怒らせたばかりなのに、更に機嫌を損ねる訳にもいかない。
 ここは一旦諦めて帰ろう。どうせ一日暇なんだから、学園を見に行けば多少はどういう状況かは分かる。

 今日は無駄足かと溜め息を吐く──────

「何をしている、入らないのか?」
「…………え?」

 見ればアーチャーが玄関を開いて、執事よろしく俺たちの入場を待っている。
 地味にその姿が様になっていることに少しイラッとした。決して他意があるわけではないが。

「玄関先で立ち話する内容でもなかろう。生憎とリンは手が離せない状態ゆえ、しばらく待ってもらうことになるが」
「お、おう。それなら中で待たせてもらうか」

 予想外のことが連続
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