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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
遠坂凛とアーチャー
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訪に近い。

 いつか友人としてこの家に足を踏み入れることはあるのか…………

「なあ、普通に呼び鈴鳴らしていいと思う?」
(知らないわよ。少なくとも正面から堂々と訪ねているわけだし、出会い頭に即開戦ってことはないと思うけど)
「つっても呼び鈴鳴らすしか手段ないよな。敷地内に無断侵入したらそれこそ問答無用で戦いが始まっちまう」

 事後処理の結果を聞く目的ばかり先立って、どう話をするかをあまり考えていなかった。 
 学園の結界をどうにかするまでの不戦条約も終了しているし、場合によっては戦うことになるかもしれない。

 今居る場所は凛とアーチャーの陣地。自身のフィールドとして地の利はあちらにある。
 俺とフェンサーの回復状況から考えても、戦闘になれば極端に不利な戦況になるのは目に見えてる。

 原則として、門扉から向こう側は結界領域内。
 まず玄関に辿り着くのだって、いくつかの魔術施錠を突破しなくてはならない。
 確か遠坂邸は冬木に幾つか存在する霊脈の上に建っているはずで、この土地の主であり陣地とする凛はこの場の大源をある程度自在に扱えるはずだ。

 戦闘になることを想定すれば、下手に接触することは危ぶまれるのだが………………
 けれど個人的な直感として、今回の場合に凛が仕掛けてくるようなことはない気がする。

 そう思う要因は多々あるが、ここはこの直感に従ってみよう。

 意を決して呼び鈴を鳴らす。

「……………………」

 出て来ない。どころか何の反応もない。
 まさかまだ寝てるわけではないと思う……てことは、不在って線が濃厚だな。

 魔術の痕跡を消す隠蔽や処理だけでなく、生徒たちを収容した病院を回っている可能性もある。
 もしくは一度家には戻ったけど、早朝にまた何処かへ出かけたってことも十分考えられるか。

 さて、どうしたもんか。

 もしかしたら魔術実験でもやってて手が離せないとか?
 目を離した隙に何かが暴発して家がドカン! なんて事になったら困るしな。

 もう少しだけ呼び鈴を鳴らしてみよう。居なければ居ないで諦める。

「……」

 1回。2回。3回。

「…………」

 4回。5回。6回。

「………………」

 7回。8回。9回。

 居なければ諦めると言ったがあれは嘘だ。

 しつこいくらいに鳴らし続ける。
 ぶっちゃけ普通の家でこんなことをすれば、ただの迷惑行為だ。

 それから10回目に至る(俺としては最後のつもりの)呼び鈴を鳴らそうとしたそのとき──────

 屋敷の中で微かにだが物音が聞こえた。
 ついでガッシャーンという何かを壁に叩きつけたような音が響き、少しの後に静寂が戻ってくる。

 誰かが中に居
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