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魔王の友を持つ魔王
§52 小ネタ集part4
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んだ。

「かくして、"毒婦(バビロン)"の異名をとる女帝は優秀な駒を手に入れた、と」

 降って湧いたような声は、気に入らない存在の秘密裏な暗殺及び神との戦いの駒、という目的を見透かしていて。

「!?」

 勝ち誇った笑みを浮かべる美女は、背後の声に身を強ばらせる。突如聞こえたその声の主は今倒れ伏したハズなのに。

「咥内摂取による呪詛で神殺しすらも従える、か。……いやいや、恐れ入ったよ」

 視線の先にいたのは、倒れ込んだ少年だった。あわてて少年が倒れた場所に目を戻すが、そこには横たわる少年の姿。なんだこれは。どうなっている。

「むぐっ!!」

 僅かな混乱。それは少年の接近を許してしまい。

「大人しくしてもらおうか」

 彼女の口に手を入れて、葡萄酒色の瞳が笑う。彼女の精神を牛耳らんと、呪詛が心の奥に響く。これは自分の権能と同種の――

「恨み骨髄ってカンジだけど手は出さないから、まぁ安心しな」

 最後に聞こえたのはそんな声。そして彼女は、意識と記憶を喪った。


●●●



「ん……」

 ひんやりとした硬い床の感触が、彼女の覚醒を促す。

「ここは……」

 己の部屋で寝ていたらしい。床で寝てしまうとは、よほど疲労がたまっていたのだろう。

「あら。この子は……」

 視線の先には、黒髪の少年が倒れている。自分の護衛兼、まつろわぬ神が現れた時に殺害させるための戦闘人間。

「誰か」

「ご主人様。お呼びでしょうか」

 使用人を呼べば、すぐ現れる。現れたのは栗色の髪が特徴的な美少年だ。どこで買い取ったのかは、忘れた。

「この者を部屋へ。目覚めたら徹底的に魔術と武術を教え込みなさい」

「仰せのままに」

 優雅に一礼し、倒れた少年を担ぎ上げて退室する。音は無い。

「これで、よし」

 なんだか大切な事を忘れている気がするが――彼女はそれを思い出すことは、生涯無かった。


●●●


「よし。第一の関門クリアー」

 双眼鏡でそんな光景を眺めながら、黎斗は首尾よく言った計画に安堵する。

「これで、修正一つ完了、かな」

 彼女にに洗脳させられ、長い間殺戮人形となってしまった過去の改変。これが今回の目的だ。なにせ洗脳されてた間の記憶が無い。誰を殺したのか全然わからない。

「ぶっちゃけこの時期得したのは魔術理論や戦闘技術を習得できた事くらいだよなぁ」

 そういった技術の学習の機会でもあったので、あまり大規模な歴史改変はするわけにはいかない。下手をすれば今の自分との間に矛盾が生じて消滅してしまうかもしれない。そこら辺の所はよくわからないから必要最低限だけすればよいだろう。

「あとは
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