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部屋の荒吹雪の解雇取消は
認めないという結論がでました」
   ざわめく記者達。

○ (回想)同・一階会議室
   うな重を食べながらの会議。
   双喜山の蓋の開いてない重箱を見つめる理事B
理事B「親方、食べんの?」
   視線を洸海に向ける双喜山。
双喜山「私は納得いきません。論点すりかえるなんて。もうあいつをいじめるのはや
  めましょうよ」 
   洸海と視線をぶつけ合う双喜山。
理事B「親方、うな重すりかえていいかな?あら聞いてない。よしすりかえよう」
   理事Bが双喜山の重箱と自分の重箱をすりかえた。
理事C「うわ、やりやがった」
理事A「いいじゃない食べないんだから」
洸海「同じ一門だからやつを守るのはわかる んだけど、やつを戻したらやつのいいようにやられる。それに回復している社会的信用もまたゼロだ。わかるか。これは嫌がらせじゃない。リスク回避なんだ」
   上唇を噛む双喜山。
   理事Bがお椀をすりかえる。
理事A「肝吸いはやりすぎだよ。汁ぐらいは飲ませてやんなよ。たくさんしゃべんな
きゃいけないんだから」

○ 吉田ハイツ103号室・内
   テレビ画面を見つめる荒吹雪。
   背中からスルりと降りる麻衣。
麻衣「ふざけんな。バカ」
と首に巻いていたタオルをテレビに投げつける。

○ 両国国技館・地下大広間
双喜山「ちょっと静かにして。続けられませんよ」
   ざわめきが次第におさまっていく。
記者B「理由、理由教えてくださいよ」
双喜山「まず、先日荒吹雪が福岡の大学生へ暴力を振るった事件はその大学生が虚偽の
証言をしたとしてこの事での荒吹雪の処分は撤回しました。しかし、解雇理由がそれだけではなく深紅山部屋、自分の部屋の付け人に数々の暴行を加えうつ症状を発症させた事も理由の一つでした」
記者D「あのう。解雇理由が一つ減ったということで解雇という処分ではなく出場停
止処分が妥当になると思うのですが」
双喜山「力士の本分は自己鍛錬であり激しい 稽古です。ぶちかましによって流血する
こと、張り手で失神状態になることがあります。極め技では骨が折れる事だってある。しかし、稽古場を離れるとルール、日本国の法律を遵守しなければならない。荒吹雪はその線引きを無視した。その行為は立派な暴行罪です。今質問されたあなた」
   と記者Dに視線を落とす。
   記者Dがその場から立ち上がる。
記者D「はい。なんですか?」
双喜山「あなたの会社で暴行の罪を重ねたらどうなるでしょう?」
記者D「立件されると解雇だと思います」
   と着席。
   双喜山の両目が充血している。
双喜山「そうですか。本件の場合は被害力士が荒吹雪を気遣い、今のところは届けを出さない意向です
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