押せば押せ 引かば押せ押せ 近場押せ
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るスポーツニュース。
箕島「お前またあのチンピラと一緒になって変なことしたのか?」
虎雅「でも、力士が一般人に対しての正当防衛は過剰防衛になるんだろ」
箕島「どうせチンパンジー以下の事やってとめられたんだろ。パパは示談で余計な金使わなくて済むから感謝したいよ荒吹雪に」
馨が湿布薬を手にリビングに戻る。
馨 「そうね」
と湿布薬を虎雅に手渡す。
箕島「だが」
虎雅「だが。なに? あいつに仕返ししてくれるの?」
と湿布薬をテーブルに置く。
箕島「お前の報復じゃない。嫌いなんだ。パパの酌を拒否したんだよ。あいつは」
とテーブルに置いてあるスマートフォンを手に取る。
馨が箕島の隣に座る。
馨 「お酒弱いお相撲さんだっているわよ」
スマートフォンを耳にあてる箕島。
箕島「ああ。もしもし」
○ 福岡サンパレスホテル・スイートルーム(以下随時 カットバック)
高藤護(52)が若い女性とベットに入っている。
高藤「先生。どうしました?」
女性がベットから出て浴室に向かう。
箕島「悪いね。こんな深い時間に」
高藤「いえいえ。それでご用件は?」
とベットから下りて窓の方に向かう。
箕島「荒吹雪という力士知ってますよね?」
箕島が座るソファーの後ろにもたれながら通話を聞く虎雅。
虎雅の表情は明るい。
高藤「もちろんですよ」
箕島「そいつにやられて帰ってきたんですよ。うちのとらが」
テレビ画面を見つめる馨。
テレビ画面には荒吹雪の取り組み。
高藤「虎雅君またしたんですか?レイプ」
箕島「鋭いね。察しの通りなんだけど、相手は大物だ。すこし事を大きくしてほしい
んだよ」
高藤「いやあ厳しいですよ。相手もたぶんそれなりの弁護人つけてくるだろうし」
箕島「だから今頼んでるんだよ。得意の周りから固めるやつやってよ」
高藤「まあリスクはあります。ですけど、協会と本人叩いたらかなりのリターンはあ
りますね」
と窓に映る荒吹雪の幟を見て笑みを浮かべる。
○ 深紅山部屋九州場所宿舎・内(朝)
稽古場上がり座敷。
スポーツ新聞を広げる弁護士・有馬雄心(27)。
スポーツ新聞一面・荒吹雪の暴力事件
記事。
雄心「載ると知ってるとはいえショックはでかいな」
座敷奥から若吹雪があらわれる。
荒吹雪「なんでおたくがショック受けんの?」
雄心「俺達ここからは一心同体なんだよ」
荒吹雪「先生ほんとに大丈夫なの? やっぱっり幸三先生とかわったら」
と座敷にあぐらをかいて座る。
雄心「俺はね二年間アメリカで箔つけてきたんだから。任せてよ。このたぐいなら親
父より知識あるから」
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