押せば押せ 引かば押せ押せ 近場押せ
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スタンガンを振り回す羅池。
田辺「あっ」
スタンガンが荒吹雪の帯にかすめる。
荒吹雪「おっ」
田辺「おっ」
荒吹雪は体を痙攣させながら羅池の両手を押さえつける。
田辺「させねえよ」
荒吹雪の後ろから攻撃を加えようとする虎雅。
虎雅を田辺が突き飛ばす。
虎雅は閉まっている店のシャッターで腰を強打する。
羅池を地面に押さえつける荒吹雪。
田辺「関取。帯って電気通すんだね」
荒吹雪はスタンガンを羅池から取り上げる。
荒吹雪「でんじろうもびっくりだ」
羅池が虎雅に駆け寄る。
田辺「あの娘がいない」
荒吹雪「怖くてどっかいっちゃったんだろ」
田辺「あいつらどうしよう?」
荒吹雪「よかた[ 相撲界以外の一般人のことをさす]に手はだせんでしょ」
田辺「そうね」
羅池に肩を借りて虎雅が歩きだす。
虎雅と羅池が荒吹雪らから遠ざかっていく。
羅池「あいつ今日優勝したやつだわ」
虎雅「そりゃ勝てねえわ」
田辺が帯からスマートフォン取り出す。
田辺「スタンガンって高いのかな?」
荒吹雪「ほら」
と田辺にスタンガンを渡す。
田辺「新弟子の矯正道具にちょうどいいな」
と田辺は帯にスタンガンをねじ込む。
荒吹雪「ふろ入ってすこし運動したら腹減ったわ」
田辺「うどんズルっと行きたいね。でもここはくどいラーメンしかないんでそれで我
慢しますか」
とスマートフォンを操作しながら話す。
荒吹雪「あれ、稲庭があるぞ。電気ついてるし」
目線を上に動かす田辺。
田辺「稲庭、いわべえか。中州のオアシス見っけ。うわ高い。3万もする」
とうどん屋の看板からスマートフォンに目を移す。
スマートフォン画面にはスタンガンショップのページが表示される。
○ 博多警察署・取調室
刑事を睨む荒吹雪。
荒吹雪「田辺さんはまだなんですか? 田辺さんが来たら昨日の真実が明らかになり
ます」
刑事「さっき連絡入ったんだが田辺も被害者と同じ証言をしてる。田中さん。弁護士
呼んだ方がいいんじゃない」
目が点になっている荒吹雪。
荒吹雪「今東京からこっちに向かってます」
○ (回想)箕島宅・内(夜)
リビング。
扉が開く。
腰をくの字にして入ってくる虎雅。
虎雅に駆け寄る母・箕島 馨(44)。
馨 「たいちゃん。どうしたの?」
虎雅「相撲取りにやられた。今日優勝したやつに」
馨「腰を打ったの?」
虎雅「見ればわかるでしょ」
馨が慌てた様子でリビングから出る。
ソファーに腰かけテレビを見る父・箕島 亮太(56)。
テレビ画面・ゴルフトーナメントを伝え
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