暁 〜小説投稿サイト〜
押せば押せ 引かば押せ押せ 近場押せ
押せば押せ 引かば押せ押せ 近場押せ
[3/17]

[1] [9] 最後 最初

   スタンガンを振り回す羅池。
田辺「あっ」
   スタンガンが荒吹雪の帯にかすめる。
荒吹雪「おっ」
田辺「おっ」
   荒吹雪は体を痙攣させながら羅池の両手を押さえつける。
田辺「させねえよ」
   荒吹雪の後ろから攻撃を加えようとする虎雅。
   虎雅を田辺が突き飛ばす。
   虎雅は閉まっている店のシャッターで腰を強打する。
   羅池を地面に押さえつける荒吹雪。
田辺「関取。帯って電気通すんだね」
   荒吹雪はスタンガンを羅池から取り上げる。
荒吹雪「でんじろうもびっくりだ」
   羅池が虎雅に駆け寄る。
田辺「あの娘がいない」
荒吹雪「怖くてどっかいっちゃったんだろ」
田辺「あいつらどうしよう?」
荒吹雪「よかた[ 相撲界以外の一般人のことをさす]に手はだせんでしょ」
田辺「そうね」
   羅池に肩を借りて虎雅が歩きだす。
   虎雅と羅池が荒吹雪らから遠ざかっていく。
羅池「あいつ今日優勝したやつだわ」
虎雅「そりゃ勝てねえわ」
   田辺が帯からスマートフォン取り出す。
田辺「スタンガンって高いのかな?」
荒吹雪「ほら」
   と田辺にスタンガンを渡す。
田辺「新弟子の矯正道具にちょうどいいな」
   と田辺は帯にスタンガンをねじ込む。
荒吹雪「ふろ入ってすこし運動したら腹減ったわ」
田辺「うどんズルっと行きたいね。でもここはくどいラーメンしかないんでそれで我
慢しますか」
   とスマートフォンを操作しながら話す。
荒吹雪「あれ、稲庭があるぞ。電気ついてるし」
   目線を上に動かす田辺。
田辺「稲庭、いわべえか。中州のオアシス見っけ。うわ高い。3万もする」
   とうどん屋の看板からスマートフォンに目を移す。
   スマートフォン画面にはスタンガンショップのページが表示される。

○ 博多警察署・取調室
   刑事を睨む荒吹雪。
荒吹雪「田辺さんはまだなんですか? 田辺さんが来たら昨日の真実が明らかになり
ます」
刑事「さっき連絡入ったんだが田辺も被害者と同じ証言をしてる。田中さん。弁護士
呼んだ方がいいんじゃない」
   目が点になっている荒吹雪。
荒吹雪「今東京からこっちに向かってます」

○ (回想)箕島宅・内(夜)
   リビング。
   扉が開く。
   腰をくの字にして入ってくる虎雅。
   虎雅に駆け寄る母・箕島 馨(44)。
馨 「たいちゃん。どうしたの?」
虎雅「相撲取りにやられた。今日優勝したやつに」
馨「腰を打ったの?」
虎雅「見ればわかるでしょ」
   馨が慌てた様子でリビングから出る。
   ソファーに腰かけテレビを見る父・箕島 亮太(56)。
   テレビ画面・ゴルフトーナメントを伝え
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ