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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ジャシン
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ぞ、はじめ」

 涙ながらにはじめの体をゆすっていたハッカをマナが制止した。ハッカが手を放すなり、はじめはげほごほと咳き込み始める。自分の弟子が戦闘を始めてもいないのにギブアップするのは流石に予想外だったのだろう、ひどく狼狽した様子のハッカにはじめは説明した。

「チョウジの必殺技・肉弾戦車は同期の中でも一番の高火力だ……私の刀なんて触れるか触れてないかのうちに直ぐポッキリだろう。それに私の水遁は水車輪と水球以外で攻撃力を持っているものは少ないし、水車輪と水球なんてどうせ、チョウジの肉弾戦車に跳ね飛ばされて終わりだろう」
「なるほどね……まあ、確かにチョウジ相手ならアタシも棄権するかな?」
「マナぁああああああ!?  ッく、最近の若い子には青春パワーが足りなさすぎる! 熱血さが足りなさ過ぎるぞあんちくしょう!!」
「泣くなハッカ……わかるぞ! お前の苦しさ、ようぅくわかるぞ! 俺だってな! テンテンやネジをもっと熱血にしてもっと青春させようとしておいるのに!! この二人ときたら!!」
「暑苦しい。お前らと一緒に青春だなんて死んでもごめんだ」
「ネジ、そんなこと言わずに青春しましょうよ!!」

 ――うわー、暑苦しいおっさんが二人一緒に泣いてるのって、キツい……
 サクラがドン引きしながら顔を引き攣らせる。ネジはふい、とあからさまにリーから顔を逸らし、マナとはじめは二人そろって溜息をついている。地面に跪いて泣くハッカの肩を持ちながらガイが泣いている。

「……なあ、こいつらさっきと雰囲気違い過ぎじゃん?」
「……見苦しい保護者同伴の男……正にそれだな」
「……暑苦しい」

 カンクロウが顔を引き攣らせ、テマリも同じく顔を引き攣らせながら同意する。我愛羅は一人不機嫌そうにこの暑苦しい男二人組みを見下ろしていた。

「さあ行くぞハッカ、あの夕焼けの向こうへ!」
「おお……わが青春の盟友よ!」

 そう言って印を組んだ手の像のその先端を指差し感動に涙を流す二人の腹に、素晴らしいパンチが決まった。前に向かってくずおれる二人を受け止めて、ユナトが冷めた目で呟く。

「とりあえず、そっちは東なので、太陽がそっちに落ちることはないです」

 シーンと、会場が水を打ったように静かになった。
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