第一部
第二章 呪印という花を君に捧ぐ。
ジャシン
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「テマリ! 早くあがれ」
リーが勢いよくガイを振り返った。我愛羅はしびれを切らしたかのようにテマリにそう命じる。
「もう勝ち名乗りは受けたんだ。いつまでもそんな見苦しい、保護者同伴の男の相手をするな」
冷たい瞳でこちらを見下ろす我愛羅に、リーの顔は更に怒りに歪んだ。もういいだろう、リー。そう言ってガイはリーの肩に手を乗せて落ち着かせようとする。それでもリーは怒りに満ちた視線を我愛羅から逸らそうとしない。ガイは仕方ない、とでもいうように笑みを見せ、そして砂の三人に視線を向けた。
「――砂の諸君。一言、忠告しておきたいんだが、いいかな?」
我愛羅は一言も話さなかった。それを了承と受け取ってか、ガイは笑って続けた。
「この子は強いよ。覚悟しておいた方がいい」
この子は俺の弟子だ。
この子は強い、とても。
自信と誇りに満ちた声だった。リーの実力への膨大な信頼を含んだ声だった。ネジは静かに、何も言わずにそんな二人を見下ろしている。その背後では、ヒルマが倒れたテンテンの治療にかかっていた。
「――あんな奴らに、負けるんじゃないわよ、ナルト」
「……サクラちゃん!?」
不意に傍から聞こえた声に驚いて振り返ると、そこでは不敵に微笑んだサクラが立っている。
「サクラちゃん、ねえ、もう大丈夫なの?」
「そんなことより、あんた自分の心配しなさいよ!」
「え? お、俺? 俺、どこも怪我してないけど?」
きょろきょろと自分の体を眺め回すナルトに呆れかえりながらサクラは、
「違うわよ! こんなところで負けたら、男が廃るってこと! サスケくんに会わす顔ないわよ?」
という。するとナルトは途端にちょっと押され気味の顔になって、「……おう」と半ば呟くように言った。それと、とサクラは続けて、顔をほころばせた。
「さっきはありがと。――あのとき、あの馬鹿みたいな声援がなかったら、私、いのにあっさり負けてたかも」
「……ん、そだね」
「こ、こいつ……!」
余りにもあっさりと頷くナルトに、思わずムカつかざるを得ないサクラだった。
+
「やっぱり女風呂を見た後はインスピレーションが湧くのう〜」
うへへと鼻の下を伸ばしまくっているのは、これでも一応伝説の三忍の一角たる自来也だ。カカシの愛読書、イチャイチャシリーズの作者でもある。各地を放浪しつつ女風呂を覗く破廉恥な物書きとなった自来也を見て彼が伝説の三忍だと信じる者が一体どれだけいるだろうか。多分、極少数だろう。
そんな自来也の前に、不意に一つの影が現れた。ぽかん、としつつ見上げると、それは金髪の青年だった。長身で、がっしりとした体躯の男。黒装束を纏い、ローブを羽織った男。青い瞳をした不思議な男は、抑揚
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