暁 〜小説投稿サイト〜
フロンティア
一部【スサノオ】
八章【疑心】
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ラハラしてたよ!」

「は、はぁ…」

なんだか聞き覚えのある口調と漂ううっとおしさ。

「遅れ気味というより大遅刻ですわよ!…ちょっとジャックを探してきますわッ!」

腕輪で呼べばいいのに慌てて駆け出すクラウリー。
よほど素が見られたのが恥ずかしかったのだろうか?

「若いっていいねぇ…」

しみじみとするウォルター。

「ところで零君すまなかったね!」

「え、何がです?」

「いやぁ、ほら…僕はやく君にフロンティアを体験してほしくて焦っちゃってね!君にろくに何も説明してなかったものだからさ!」

「あ…」

そこまで言われ、零はやっと気が付く。
目の前のウォルターというGMは初日に会った穐山哲二なのだということに。

「哲二さんだったんですか!?」

「ちょっとちょっと!声が大きいよ…ここではココの名前で呼び合うのがマナーだよ」

口に人差し指を当てジェスチャーするウォルター。

「それでさ、ちょっと罪悪感感じてたものだから僕から君にサービスクエストをプレゼントしようと思ってね!」

「はぁ、サービスですか…」

「うんうん!他の二人はちょっと予想外だったけど…」

「あ、迷惑でした?」

申し訳なさそうにする零へ…

「いやいや、そんなことないよッ!むしろいい仲間を見つけたね、と喜ぶべきことだ!」

慌てて弁解するウォルター。
と、そこへジャックを連れたクラウリーが戻ってきた。

「お待たせしましたわ!」

ぜぇぜぇと息を切らしているクラウリー。
どれだけ急いで行ったのだろうか?

「おぉ、GMのウォルターさんすか!?」

握手を求めるジャックにウォルターは快く承諾する。

「それじゃぁ改めて、初めましてだね!僕の名前はウォルター。出来れば『博士』とつけてくれると嬉しいね!GMでもあるが今回は君たちに守ってもらう依頼主でもある!よろしくねっ!」

「で、どこまで護送すればいいんですの?」

息を整え、スパッと本題に入るクラウリー。
危険な場所に行けるとでも思っているのか、その瞳はキラキラと輝いていた。

「うん、ここからさらに南へ8キロほど歩いたところにある洞窟までお願いしたいんだ!」

「「「はい?」」」

拍子抜けした声を出す三人。
それもそのはずである。
フロンティア1を起点としてもたった10キロ程度の地点…とてもGMが護送をつけていくようなエリアではない。

「え、ちょ、ちょっと待てくれよ!?どういう事なんだ!?」

「ん?どうしたんだい?」

「どうしたんだい、じゃありませんわ!?そんな近場でしたら貴方だけでも十分ではないですこと!?」

「はぁはぁなるほど、そういうことねぇ」

ポン
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