第三部
第一話
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俊司、よかったらついて行ってもいいかい?」
と、急に話に割り込んできてのは萃香だった。
「萃香さんが?」
「ああ。ちょっと上の方が気になるんだよ。ここ三ヶ月は行ってないからね」
「僕はいいですけど……どうしますか?」
俊司は映姫を見て意見を仰ぐ。
すると、映姫は何も言わずにうなずいた。映姫としても、ここで戦力が増えるのはありがたいのだろう。
それをみた萃香は、一言ありがとうと言っていた。
「霊夢や天狗達は今頃どうしてるんだろうなぁ……勇儀、相馬、お前らはどうする?」
「あたしはいいや。あんまりここの人数減らすわけにもいかないだろ?」
「俺もパスかな。上に上がったらしんどいし」
「そうか……まあいいか。じゃあよろしくな俊司」
「はい。よろしくお願いします」
俊司は深々と頭を下げた。
「では、そろそろ」
「気をつけてくださいね。みんなを……幻想郷を……よろしくお願いします」
「……はい」
さとり達に見送られながら、俊司達はゆっくりと歩き始める。
これで旧都の安全もなんとか確保された。地上にあった革命軍達の基地は、ほとんど俊司や紫達によって壊滅されている。事実上、相手に残されているのは天界にある本拠地だけだろう。
ながれは確実に俊司達を味方している。士気も徐々に高まりつつある中、終戦は近くなっていると、誰もが思っていた。
それから数分後、俊司達は旧都へ通じる地上の穴まで戻ってきていた。
「やっぱり飛ぶのにはなれないなぁ」
「私達は気がつけば飛べてたからねぇ」
「そもそも外には飛ぶという概念がないですからね。でも、なれると気持ちいいんだろうなぁ」
「そうですね。ところで俊司さん、これから天界に向かうのですか?」
「ああ。そのつもりだけど……」
「いえ、そのことですが」
そう言って話に割り込んできたのは映姫だった。
「天界に向かう前によっておきたいところがあります」
「そうなんですか?」
「はい……永遠亭です」
「!」
永遠亭と聞いた瞬間、俊司は体を震わせるようにして反応した。
永遠亭には紫達がいる。俊司が亡霊になって以来あっていないため、当然のように俊司は死んだと考えているはずだ。
だが実際は亡霊として生きている。黙っていたことを怒られないだろうか、そんな不安が心の隅に浮き上がっていた。
「天界にいくならそれなりの戦力も必要でしょう。合流するなら今が頃合いだと思いますが?」
「……そうですね」
「……どうかしましたか?」
「……いえ」
俊司は顔をひきつらせながらも、
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