第二章 [ 神 鳴 ]
二十四話 神々の戦 喪失
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ってるわよ!!!」
涙目でそう叫んだ。言葉は少ないがしっかり覚悟は伝わってくる。
「…上等。じゃぁ最後の作戦を始めよう。皆も覚悟を決めてもらう」
僕の言葉にその場に居る全員が力強く頷いた。
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神奈子の元に一つの報告が上がる。
河上の陣を落とされた後全軍を一箇所に集めて防御に徹していた諏訪の軍が突如反撃に出たと。
それだけなら想定の範囲だったが奴等の陣頭に敵の大将であるはずの洩矢がいるというのだ。鋒矢の陣で一気に此方の中軍を破り本陣に進軍してきているらしい。
本来ならその陣形では大将は後方に配置する筈なのだが敵の策士は相当にイカレているようだ。
「どうすんだ神奈子?また敵の罠か?」
俺は報告を聞いてからずっと黙っている神奈子に問いかける。
「…自分の所の大将を態々先頭に配置するか…罠にしてもこっちが先に洩矢を討ってしまえばそれまでだよ。それに敵の正体不明の奇襲も警戒さえしていれば防げる筈だ。伝令!各部隊に鶴翼 の陣で敵を包囲しつつ中央を抜けさせる様に伝えろ!敵が中央を抜いた所で本陣の部隊で進軍を受け止める!そうすれば連中は袋の鼠だ。行け!」
神奈子の号令を受け伝令達が飛び出していく。神奈子の指示は最良で適切だ。でもなんか嫌な感じがする、闘神の勘ってやつだが。
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その後の戦況は神奈子の計略通りに進んだ。こちらのほぼ全軍での包囲戦、あそこからの打開はどう考えても無理だ。どうやら敵の策を警戒し過ぎていたらしい。
遠目に戦場を見ながらそんな事を考えていた。そして突如悪寒がした。途轍もなく嫌な予感。
俺は近くに居た神奈子と姉貴の元へと走り、
「二人とも動くんじゃねーぞ!」
俺が能力を使うと俺達の周囲の地面から幅が一メートルもある長大な刃が無数に生え天幕状に包み込んだ。
直後とんでもない重圧が襲ってくる。防御していなければ潰されていた。そう確信出来るほどの重さだ。
「な、何だいこれは!」
「くっ!」
神奈子も姉貴も突然の重圧に苦悶の声をあげる。刃の天幕がベキベキと音を立てるが力を注ぎ込み重圧に抗する。どれ位の時間そうしていたか分からないが不意に重圧が消えた。
念の為刃を細かく砕き全周囲ばら撒く。刃が砕け視界が開けた先に居たのは男が一人、女が二人。
「…流石にこれは想定外なんだけど…」
男がそんな事を口走った。
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僕が指示した最後の作
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