第二章 [ 神 鳴 ]
二十四話 神々の戦 喪失
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「君を責めるつもりは無いよ。さっきも言ったけどこれは戦だから仕方が無い。だから…」
男が徐に左手に持っていた小太刀を頭上に掲げる。
「これはただの…」
そして突如として我々の上空を埋め尽くすほどの刃の群れが出現した!
「八つ当たりだよ!」
男が指揮棒の様に小太刀を振り下ろすのと同時に天壌の刃の群れが地上の我々目掛けて降り注いでくる。
わたくしは黄金色に輝いていた未来図と共に刃の奔流に切り刻まれた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
傲慢の砕ける音が周囲に響く。何をやっているんだ僕は。彼らを殲滅する為だけにこんなに消耗する必要は無いって分かってた筈なのに。
感情的になるな、冷静になれ――――今だけは。自分自身にそう言い聞かせる。
「紫、本陣に戻るからスキマを開いて」
僕がそう口にするとスキマが開き中から半泣きの紫がこちらを見ていた。僕はスキマに入ると無言で紫の頭を撫でる。
紫は何か言いたそうに僕を見上げるが僕は「何も言わないで」と言う代わりに首を横に振る。今この子に慰められたら甘えてしまう。
スキマを抜け本陣に戻ると予想通り騒ぎになっていた。
「おお!七枷殿一体何があったのですか!」
僕の姿を見つけた岩さんがそう言いながら近づいてくる。
「…岩さん、諏訪子は何処?」
「えっ?あ、あぁあちらにいらっしゃるが…本当に何があったのだ?」
悪いとは思いつつ岩さんの質問を無視して諏訪子の所へ急ぐ。数人の神と話をしていた諏訪子は僕に気付くと駆け寄ってくる。
「虚空!楓は!楓はどうしたのさ!」
僕の胸倉を掴み錯乱したように詰問してきた。
「…楓は死んだよ。そんな事より「そんな事ってなんだよ!!楓が死んだんだよ!!」
物凄い形相で僕を睨みつける諏訪子。僕だってこんな事は言いたくない。でも僕達の今の立場でそんな事は言ってはいけない。…気は引けるけどこの際仕方が無い。
「イヤだな諏訪子、王が戦の最中にたった一人の為に涙を流すの?止めてよ他に示しが付かないでしょ。そんな事ならいっそ降服しようか?そうだそうしよう、そうすれば好きなだけわんわん泣けるよ?国も責任も捨てて『御免なさい許してください!』って懇願すればいいだけなんだから。じゃぁさっそく白旗の用意を…!?」
肉を叩く鈍い音が周囲に響く。
そこで僕の台詞は諏訪子の右拳によって遮られた。口の中に血の味が広がる。決して大きな音ではなかった筈だが僕達の周りは静寂が支配していた。
諏訪子は拳を振り抜いた姿勢のままワナワナと身体を震わせている。そして、
「馬鹿にすんな!!!!分か
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