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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
海に行ったら、黄昏る その一
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は二人しかいませんから一部の時間しか使えません。好きな時間に入りたければ部屋のお風呂を使って下さいね。それから今日一日は自由時間ですから織斑くんと海に行ったらどうですか? 着替えるための更衣室は別館にあるんですが、一番端を使うようにして下さい。そこが男子専用になっています」

海の話をする頃には幾分表情は緩んでいた。

「了解です」

「わたしは他の先生方と連絡とか確認とか色々とすることがあるので、気にしないで楽しんできてくださいね」

言い終わると立ち上がった山田先生は部屋を出ていった。
気にしないでなんて言っていたが、まさか用事がなかったら俺と行くつもりだったとかじゃないだろうな。
山田先生が部屋から出ていくのを見送ってから、俺はタオルとか水着の入ったバックを荷物から引っ張り出すと、小脇に抱えて部屋を後にした。
今、織斑先生の部屋に行けば一夏に直接会えるかもしれないが、山田先生と一緒に行こうものなら織斑先生はすかさず、

「夫婦揃って挨拶にでも来たのか?」

なんてからかってくる光景が目に浮かぶ。
一夏の所に直接行くのは止めておくとしよう。
海に行けば会えるだろうと思い、とりあえず着替えるために別館にある更衣室へと向かった。
更衣室の一番端を使うように言われていた俺は、当然そこで着替える訳だが、他の場所では女子たちがわいわいと賑やかに会話を楽しみながら着替えているわけで、年頃の男子の妄想を掻き立てるような会話が繰り広げられていた。

「胸、おっきいねー」

「ちょっと、胸揉まないでよ!」

「良いではないか、良いではないか」

とこんな感じである。
俺は、聞いちゃダメだ、聞いちゃダメだ、聞いちゃダメだと、まるで念仏を唱えるお坊さんのように心の中で唱える。
心頭滅却すればエロまた涼しの心境だ。
そう言えば、臨海学校前、一夏がシャルロットと水着を買いに行って、二人一緒に試着室に入り、シャルロットがその場で着替え始めるという大胆極まりない行動に出た時、一夏はどうしていたっけ? 確か、

「π、イコール――」

なんて円周率を頭の中で行っていた気がするな。
円周率なんて数ケタしか知らない俺にとっては何の意味もなさそうな方法ではある。
エロ関連のイベントがあると円周率とか素数を言ったりしているが、あれは流行しているのだろうか。
ともかく、この更衣室から早く立ち去るべく着替えるスピードをアップし、お着替え選手権世界大会でも入賞くらいは出来るであろうタイムで着替えを終えた俺は、更衣室から飛び出した。

「あれ、ベインズくん。お嫁さんと一緒じゃないの?」

近くの更衣室で着替えを終え出てきたであろう女子は、俺を見るな
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