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小噺集
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か」
「うん!」
後方のプレハブ小屋に向かって合図すると、徐々に辺りの景色が変わって行く。何もない景色が、新緑の草原へと変化していく。赤やピンクと言った点が段々と大きくなり、様々な種類の花になった。
「すごーい!」
「これはただのホログラムだ。もっと凄いのはこっちだ」
足元に生えていた花に触れ、先ほどの樹と同じようにウィンドウを出して見せる。
「すごいね。これがAR環境……」
慣れ親しんでいるVR世界とはまた別の世界。不完全とは言え、仮想世界と現実世界はこのように少しずつ融合して来ている。
そんなことを考えつつふと木綿季を見ると……
「ん……?木綿季、その格好……」
「え?あれ……?っていうか螢も」
「……これは」
木綿季は紫系統のいろのシャツ、上着、スカートに。俺は黒のシャツにズボン、紅色のパーカーという格好になっている。2人とも、ALOのアバターとほぼ同配色となっている。
そして、最大の特徴は髪と目の色。これは完璧にALOのアバターと一緒だ。
「菊岡め……妙な格好させやがって……」
「まあいいじゃん。なんかこの格好でデートするのも良いかもよ?」
それだったらゲーム内で現実世界より遥かに多くやっているのだが……まあ、木綿季が嬉しいならそれに越したことは無い。
そんなつまらないことを考えていると、木綿季の柔らかく、小さな手が俺の手を握った。
「早く行こ!」
「お、おう……って待て!いきなり走り出すな??」
−To Be Continued……−
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