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チートだと思ったら・・・・・・
最終話
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た。

「この者をここに呼んだのは、どうしてもお前に話したいことがあるからだそうだ」

ドクン、と今度は心臓が跳ね上がった気がした。自分が体を奪ったことで、目の前の男は一体どうなった? 考えるまでもない。その人生が、終わってしまったのだ。健二は今、己の罪と対峙している。

「宮内健二。俺は、お前を……」

男は、目の前にいる自分の体を奪った男を見据え、自分の心の中をもう一度整理していた。浮かび上がるのは自分の体を奪ったこの男がこれまでおこなってきたことだ。
合コンに始まり裏の事情へと踏み込むこととなった。敵に囚われた修学旅行。突如現れた青い男。付きつけられた宣告。そして、学園祭が始まり、最後の戦いへ。
どれもこれも、見ていたことだ。彼の中で、何もできずとも確かに見ていた。そして、その中でも一際強く彼の中に残る一人の少女。
既に自分は答えを出している。後はそれを告げるだけ。男……いや、”宮内健二”はもう一度少女の顔を思い浮かべ、決意を固め、それを口にした。

「宮内健二。俺は、お前を許す」

「……え?」

「聞こえなかったのか? 許す、と言ったんだ。だから、お前は戻れ。彼女の元に」

許す。その言葉にも健二は固まったがそれ以上に聞き逃せない言葉があった。”戻れ”と、一体どう意味だというのか。

「どういう、ことだ」

「その身体の中には、俺とお前、二つの魂があった。だが、人が死んだ時消える魂は一つ。たまにお前の様な例外もあるらしいが、基本的にはそれが大原則だ。つまり、俺が消えてやるからお前は(そこ)にいろ」

「どう、して! どうしてなんだ!?」

健二は人生を奪った。だというのに、目の前のコイツはそれを許すどころか、自分に代わって消滅するというのだ。自分が言うのもなんだが、正気の沙汰とは思えない。

「彼女が……」

「かの、じょ?」

「そうだ。彼女は今、悲しんでる。その悲しみを止めてやれるのは、お前だけだ」

男は健二の全てを見てきた。そして、健二と同じように一人の少女に心を奪われたのだ。何も不思議なことではない。男と健二は平行存在。特に、この二人は半ば融合させられる程に似通っていたのだ。故に、健二が惚れた相手に男が惚れるのは、むしろ当然と言っていい。

「俺だけ……本当に、そうなのか?」

今明日菜を悲しませている元凶足る自分が、彼女の悲しみを止める資格があるのかと、健二はマイナス方向へと思考が動く。だが、それを男は一括した。

「お前じゃなきゃ、駄目なんだよ! 俺じゃなくて、お前じゃなきゃ!」

健二と共に明日菜を見てきた彼は気付いていた。彼女を真に笑顔に出来るのは、自分では無く目の前の男なのだと。戦いを挑むこともなく自覚してしまった男としての敗北。だが、それ
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