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チートだと思ったら・・・・・・
最終話
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気だった。目の前にいる神が、一体に何に対して謝るというのか。健二にはいまいち、想像できなかった。

「全て、じゃよ。突然別の世界へやったこともそうじゃし、あの男を送ってしまったことも、じゃ」

「…………」

前者については健二はそれほど気にしてはいない。それどころか、逆に感謝しているくらいだ。そして、あの男……ランサーの事だろうが、それに関しても健二は特に何かを言うつもりは無かった。なぜなら、もうすべては終わったのだから。

「いやいや、このままでは終わらんのじゃよ」

「……どういうことだ?」

「さぁ、出てきなさい」

健二の前に座する神。その隣に、未だ姿を現していなかった。もう一つの気配が、姿を現した。







「健二……! 健二!」

健二の戦いの模様、そのすべてを見た彼女達は再び眼から溢れんばかりの涙を流していた。最初は、言葉どころか涙すら出なかった。心臓を貫かれながらも体を動かし、敵を道連れにする。壮絶、としか言いようがない。
何故、健二がそこまでしてあの青い男を討ったのかは誰も知らない。だが、超との戦いより優先し、また、命をかける程の戦いが、無駄であった筈がない。これだけの戦いを行ったからには、それに見合う理由があったはずなのだ。

「健二! 健二ィ!」

だからこそ、彼女達は涙する。超と言う敵が自分たちにもいたとはいえ、健二を一人にしてしまったことを。健二が自分たちを頼ってくれなかったことのふがいなさを悔いて。

「うっ、あぁぁ」

涙を流すものの中でも、明日菜のそれは群を抜いていた。それも無理はないだろう。明日菜が一番健二と付き合いが長く、また一番親しかったのだ。明日菜は最早骸と化した健二にすがりつき、恥も外聞もなく顔を歪め、涙を流す。

(…………だ)

今の明日菜はすべてを悲しみに染められている。だからこそ、気付かない。彼女に呼びかける声に。
まだ、道は繋がらない。







「おまえ、は!?」

健二は現れた人物に驚きを隠せなかった。長身に白い髪、褐色の肌。間違えるはずがない。この男はエミヤ、そして宮内健二(じぶん)の姿だ。

「はじめまして、か? こうして面として向き合うと妙な気分だな。お前は俺を知った筈だし、俺もお前のことを知っている」

ここまで聞けば、目の前の男が誰であるかを察するのは容易だ。健二は自分でも意識せず、息をのんだ。

「それでも、一応自己紹介しておこうか。俺の名前は……」

「「宮内健二」」

二人の声が、意図せず重なった。

「その通り。お前に体を奪われた、あの世界の宮内健二だ」

今まで、少なからず考えていたことを明確に口にされ、健二は心臓を鷲掴みされたかのような気分に陥っ
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