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チートだと思ったら・・・・・・
最終話
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く発動を今か今かと待つ槍を見据える。

「だが、最後まで足掻かせてもらおう」

――I am the bone of my sword.

「無駄なんだよっ!」

――刺し穿つ死棘の槍!(ゲイ・ボルク)

――熾天覆う七つの円環!(ロー・アイアス)

花の盾と、必殺の槍が両者の間で衝突した。





ここで、何故健二がロー・アイアスを使ったのかを語っておこう。ロー・アイアスとはトロイアの英雄、ヘクトルの投げ槍を唯一防いだ盾であり、その伝承故に投擲武具には絶対の防御力を誇る盾となった。
だが、ここで注目してほしいのは当時”防ぐことのできない攻撃を防いだ盾”と言うところだ。当時防御不可であった攻撃を防いだアイアスの盾。宝具となった今では投擲に対する部分にその力が集約してしまっているが、確かに、アイアスは防御不可の攻撃に対する力も秘めているのだ。
そして、ゲイ・ボルクは必殺にして必中。その力の前では防御など無意味。即ち防御不可の一撃である。それ故に、

「なん、だとぉ!?」

「ぐ、おぉお!」

本来なら盾など構えた所でそれをかわして心臓を貫くはずの槍。それがしっかりと、アイアスによって受け止められる。だが、だからといってゲイ・ボルクを防げるわけではない。その証拠に盾を形作る花弁は次々とその姿を散らしていく。最後の一枚、健二は原作でのエミヤ同様渾身の魔力を注ぎ込むが、それも無駄だった。

「っ!?」

最後の花弁は無残に散り、槍は健二の心臓を貫いた。





最後の花弁が散った時、健二はここが正念場だと歯を食いしばった。今から、自分は心臓を貫かれる。普通なら、痛みを感じる前にショック死してもおかしくはない。だが、健二は耐えねばならない。そのために、準備もした。
エヴァンジェリンに付き合ってもらった最後の修行、アレは固有結界を故意的に暴走させ、体を貫かれることになれる修業だったのだから。数多の剣が内側から体を突き破る痛み。そんなものに延々と耐え続けたのだ。たかが槍一本がこの身を貫くのを耐えられぬはずがない。
健二は迫りくる槍を、覚悟を持って迎え入れた。

「終わったな」

健二の体から槍を引き抜き血を払う。最後の抵抗がまさかアイアスだとはランサーも思わなかったが、問題なく終了した。これで、邪魔ものは排除でき自分がこの世界の主役となれる。これから自分の手で作り上げていく未来を想像しながらランサーはその場を後にしようと踵を返した――が。

「あぁ?」

未だ手に持ったままの槍が何かに引っ張られ、足を止めた。一体何だとランサーが振り返れば、そこには槍の柄尻を握り締める健二がいた。

「なっ、生きてやがったのか!?」

そんなはずはない、確かに心臓を貫いたはずだとラン
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