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チートだと思ったら・・・・・・
最終話
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、これ以上があるってんなら話は変わるがな」

「…………」

見透かされている。健二はとうに全力を出している事を。すくなくとも、身体強化はこれ以降のことを考えると出力を上げられない。ならば魔術方面で、と普通なら考えるだろうがそうはいかない。真名解放どころか武器の換装さえ、ランサーの早さの前では行う暇がない。

「頑張ったほうなんじゃねーの? ただの人にしては」

その言葉には思うところがあった。その肉体さえ神に用意してもらったお前が言うなと、そう思った。だが、健二とてその戦闘技能の殆どは神に与えられたエミヤの力を使って得たものだ。身体こそ自分で鍛えてはきたものの、エミヤの力がもたらしたものからすれば微々たるものだろう。所詮、健二もランサーも、同じ穴の狢なのだ。

「無駄口が、多いじゃないか」

「あん?」

「俺をさっさと殺せない様なテメェが、英雄”クー・フーリン”を名乗るなんて片腹痛いって言ってんだよ」

ブチリ、と健二の耳に何かが切れる音が聞こえた気がした。よく見てみれば、ランサーの額には青筋が浮び、顔は真っ赤になっている。原作でも、ランサーが激しい怒りを感じていたことはあったが、その時のグラフィックに比べると、目の前の男の顔は何とも無様に見える。

「調子に乗りやがって! お前はもう殺す!」

「やってみな、三下」

このやり取りの後は何ともあっけないものだった。本気、真の英雄としての能力をもって襲いかかるランサーの動きを健二はセンリガンを用いても見切る事は出来ず。折角、高畑相手に行った見えない攻撃に対する対処法も意味を無くした。

「けっ、雑魚が」

「が、……はっ!」

そうなってしまえば、後はただただ嬲られるだけだ。腹部を貫かれ、足を切り裂かれ、腕は骨を粉砕された。他にも大小さまざまな傷を負い、傍から見れば襤褸雑巾に見えなくもない程に、健二は痛めつけられた。それでも意識が残っているのは、チャチャゼロの修行のたまものだろう。

「く……っぁ」

「まだ立つか。いいぜ、終わらせてやるよ」

それでも、健二は立ち上がる。まだ、終われないのだ。彼の思い描く筋書き通りに事が終わるまで、絶対に。

「アーチャーは突き穿つ死翔の槍は防いだが、こっちは無理だろう」

ランサーが持つゲイ・ボルクから底冷えする様な寒気が発せられ始める。間違いないランサーは刺し穿つ死棘の槍を発動しようとしている。ゲイ・ボルクの持つ因果の逆転の力。その能力を前面に押し出したこの技は、ゲイ・ボルクを越える神秘を持って防御するか、その因果逆転の力を覆すほどの強運を用いるしかない。

「確かに、俺には防ぐ手立てがないかもな」

自分にアレを避け得る程の幸運があると最初から思っていない健二は、別段恐れることもな
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