最終話
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態でも聞き逃せない様な真実を口にした。
「そして、その千の雷を放ったのは恐らくコイツ自身だ」
「どういう、こと?」
消え入りそうな声で明日菜が尋ねる。エヴァンジェリンは一つ息をついてその理由を語った。
「千の雷は広域殲滅魔法。それ故に魔法は術者から離れた場所に発動しなければならない。そうでなければ術者も巻き添えだからな」
それはおかしい。だって、健二とその敵だったと思われる人物はそろって雷を受けたはずだ。エヴァンジェリンの言う通りなら、第三者が健二達に放ったことになる。
「だが、例外がある。それがコイツだ。以前、チャチャゼロが戯れに千の雷を撃たせたことがあった。魔法の腕が坊や以下のコイツがそんなことをした所で魔法は発動しないはずだった。だが、何故か千の雷は発動した。術者であるコイツを巻き込む様にしてその場でな」
では、何か? 健二はこうなると分かっていて、千の雷を放ったというのだろうか。エヴァンジェリンの言葉からその可能性が高いことは分かる。だが、それでは健二が自ら命を絶ったようではないか。そんなこと、ネギ達には認められるはずがなかった。
「お前たちの考えは尤もだ。だが、ここに全ての疑問の答えがある」
エヴァンジェリンの横には超が使っていたロボットの中の多脚戦車型が置かれていた。それに茶々丸が右手の人差指に内蔵された端子を接続している。
「この中には恐らく、健二の戦闘の様子が映されている。全てを見る勇気が、お前達にはあるか?」
その場にいる誰一人として、逃げる事は無かった。エヴァンジェリンは茶々丸に指示を出し、映像が壁へと映し出された。
赤青は対峙する。距離はおよそ十メートル。英雄の肉体を持つ男と、魔法によって身体能力を強化した健二ならば一歩で詰められる距離だ。両者は互いに槍と双剣を構え、睨みあう。
「そっちからはこねえか。まあ当然っちゃ当然だな」
健二がエミヤの戦闘法を模倣していると思っている男、ランサーは健二が基本的に自分から攻めてくる事は無いと判断した。
「だからこっちから、行ってやるよ!」
右肩、左わき腹、右太ももを習った三連続の突き。ランサーは手加減しているのか健二はその軌道を完全に見切る事ができた。そして、見切る事が出来たのなら防げないはずがない。
「フッ!」
陰陽の夫婦剣を縦横無尽に走らせ槍をはじき返す。そして、お返しと言わんばかりに莫耶を右薙ぎに繰り出した。しかし、そんな見え見えの攻撃が当たるわけもなく。ランサーは大きく後ろに飛ぶことでそれをかわした。
ランサーが距離をとったのをいいことに健二はすぐさま弓矢へと武器を換装。出来得る限りの速射と連射で矢をランサーへと射る。
「効かねえって分かってんだろうが!」
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