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亡命編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八十一話 フェザーン謀略戦(その3)
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んじゃったよ。妙な目で俺を見てるな、猜疑心全開だ。な〜んか嫌な感じ〜。思いっきり笑顔を作った。
「貴方はこう考えているのではありませんか? 私がここに来たのはフェザーンを同盟側に引き寄せるためではない、そうみせかけることによって国内に引っ込んだままの帝国軍を誘き寄せようとしているのだと」
「……」
ルビンスキーは無言、無表情だ。甘いよ、ルビンスキー。無言である事、無表情である事が感情を消すとは限らない。自信家のお前が感情を消した……、今のお前は主導権を取ることが出来ずに不安に駆られている。何かがおかしいと不安に駆られている。
そしてこちらの言う事を必死に考え、有り得ないと否定している……。残念だな、最初から主導権は俺に有るのだ。お前は俺の掌で踊っているだけだ、俺の望むように。あとはどれだけ上手に踊ってくれるかだ……。
「条件さえそろえばフェザーンは同盟に擦り寄るのは目に見えている。現時点で独立など持ちかける必要は無い。私の目的は帝国軍を振り回す為であってフェザーンの独立など本当はどうでも良い事なのだと……。そのためにレムシャイド伯に連絡を入れここに呼び寄せたのだと……。伯に猜疑心を植え付けるために……、如何です?」
「あの通信は卿の差し金だったのか……」
呻くようにレムシャイド伯が呟いた。恨みがましい目をしている。少し慰めてやるか。
「ええ、そうです。エーリッヒ・ヴァレンシュタインが同盟政府の命令で密かに自治領主と接触している。目立つことを避けるため少人数で来ている。今すぐ自治領主府に行けばヴァレンシュタインの身柄を抑え、ルビンスキーの背信を咎め帝国の威を示すことが出来るだろう。ヴァレンシュタインはヴィオラ大佐の名前で面会をしている、急がれたし……。発信者は亡命者の専横を憎む者、確かそんな通信だったはずです、そうでは有りませんか?」
「……」
「功を焦りましたね。こちらの不意を突けると思い、碌に準備もせずにここに来た」
レムシャイド伯が顔を歪めている。慰めにならなかったな、かえって傷つけてしまったか……。でも今度は大丈夫だ。
「私と自治領主閣下、そしてレムシャイド伯の三人で話す必要が有りました。ですがお話ししましょうと誘っても断られると思ったので……」
吹き出す音が聞こえた。シェーンコップが笑っている、彼だけじゃないルビンスキーを除く皆が笑っていた。リンツ、ブルームハルトもそうだが、俺の後ろでも笑い声が聞こえる。デア・デッケン、お前もか……。
俺がせっかく伯爵を慰めようと努力しているのにお前らはそれを笑うのか! レムシャイド伯を見ろ、傷付いているだろう! この根性悪のロクデナシども! サアヤ、お前も根性悪の仲間入りか? 嫁に行けなくなるぞ。
「話を戻しましょう」
俺が咳払いをして言うと皆
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