暁 〜小説投稿サイト〜
気まぐれな吹雪
第一章 平凡な日常
10、なんやかんやと大騒ぎ
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言ってますが、銀は要に負けず劣らずお人好しなんです。

「遠慮すんなよ」

「いや、食費とかは自分で払うからさ、大体……月10万くらいか」

「え、それだけ?」

「は?」

「いやさ、今までオレが担当したやつ、『100万!』とか『1億!』とか言うやつばっかりだったから」

バカばっかりだろそれ。

別にオレはあんまり買い物行かないし(食糧除く)、ホントに欲しいものしか買わない主義だから。

「あ、授業料……」

「だからオレが払うって!」

ホントにお人好しなやつである。

オレは思わず、苦笑いしながらため息をついた。

「じゃ、任せるぜ」

「おうよ!」

銀がニッコリと笑う。

その笑顔を見たとき、胸の奥がズキリと痛んだ。

あのときと同じ。

転生するとき、最後に銀に声をかけられたときと……。

オレはこいつを知っている?

否、知っているはずがない。

じゃあどうしてオレはこいつに優しくされるたび、笑顔を見るたび、こんなに苦しく辛くなるんだ?

「要……?」

銀、お前は一体、誰なんだよ……。

お前の何がオレを苦しめるんだ……。
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