二十一話
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「その手があったか!」
健二のアーティファクト、センリガンは単純な視力強化に加え透視能力まで持っている。何処かに潜む相手を探すにはピッタリの能力だ。
「すまないが、それは無理だ」
「ど、どうして!?」
元々カシオペアの時間跳躍の感覚が苦手だった健二は今回の不安定な時間跳躍をした結果、相当まいっていた。それこそ、魔力が枯渇したネギなんかよりよっぽど酷いのではないかと全員に思われるくらいにだ。だが、それでも呑気に休んでいる場合ではないと椅子に身を預けながらも話は聞いていた。
「この戦い、勝手だが私は参加できない」
「理由は、何ですか?」
問いかけたのは刹那だった。修学旅行で見せた剣軍による面制圧は拠点防衛で大きな力を発揮するだろうし、先ほどカモが上げたとおり健二のアーティファクトはこの作戦では必要だ。だから、何か理由もなく戦線から離れさせるわけにはいかない。
「序盤は問題ない。だが、中盤から終盤にかけては無理だ。俺には、戦うべき敵がいる」
「それは、超さんの?」
「いいや、超鈴音は全く関係ない。勝手、と言ったろう。この敵は、今回の件とは全く別物だ」
「それは何に置いても優先すべきこと、なのでござろうな」
付き合いが短くとも、健二からにじみ出る戦士としての雰囲気が楓に戦線離脱を納得させていた。その敵とやらとの戦いは、超を止める事よりも重要なのだと。
「俺の敵は、強い。そして、奴は俺と戦う事だけが目的だ。俺が奴の前に現れねば、最悪、超に味方する形で介入しかねない」
これは事実だ。だが、それ以上に健二はあの男と皆を会わせたくなかった。それに、この戦いは誰にも見られるわけにはいかない。健二だけで、終わらせねばいけないのだ。
「でもよ、健二の旦那がいないんじゃ……」
作戦の成功率はガクッと落ちる。パーティのブレーンとして、カモが渋るのも無理は無い。
「カモ君」
「兄貴! 目が覚めたのか!?」
「カモ君、健二さんは作戦のメインから外そう」
「で、でもよう!」
「いいんだ、カモ君。それと、作戦について、追加案があるんだ」
貴重な人材である健二を作戦から外すことをネギは選んだ。その考えの中核には、申し訳なさがある。元々、健二がネギと仮契約を結んだのは修学旅行時、事件に巻き込まれ戦略上の都合でのことであって、ネギの従者になる事を了承してのことではない。今日まで特に何も言わず仮契約はそのままだったが、時間跳躍について、健二だけが自覚していたその重さ。それを聞いたネギは自分との仮契約があるから健二はその重さを自分の内に隠して付いて来たのではないかと思ってしまった。
実際はそんな理由ではないし、今回以外にも一度だが健二はカシオペアを使っている。その
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