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チートだと思ったら・・・・・・
十九話
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間がないんだ。さっきも言った通り俺が明日菜に告白するなら、明日菜がタカミチにそれをする前、それしかなかったんだ」

「宮内さん……?」

時間がない、とは一体……。学園祭で告白すれば成就する、もしかしたらそのジンクスを信じているのかとも思ったが、あやかは健二の声音からもっと、彼の言う時間が非常に重要なもに聞こえてならなかった。

「さて、と。もう行かないと。話を聞いてくれてありがとう雪広さん」

「あ、宮内さん!」

後ろで名前を呼ばれるが健二は振り返らず歩きだす。少しは気が楽になった、聞き上手だと言うのも間違いではなかったなと。そう思いながら。

「お前の答えはよく分かった」

だが、その声でそんな事は吹き飛んだ。まさか、最終日前に接触をしてくとは思わなかった健二は完全に凍りついてしまっていた。

「今の内に、遺書でも残しといたらどうだ?」

すれ違いざまにそんなことを言い残していく男。明日、学園祭最終日に……一つの物語が、終わる。





「…………」

エヴァンジェリンの別荘のとある一角。そこで健二は禅を組んでいた。最早、運命は変えられない。定められた流れに従い、自分の出した答えを引き寄せるのみだ。
これで、いいのだ。例え、この戦いを最後に彼女と別れることになろうとも……

「奴だけは、この手で」

健二の体を光が包む。従者の召喚だ。さあ、運命の戦いへといざ行かん。



「状況は把握している。超鈴音を止めるのだろう?」

「は、はい。それで、その……健二さん。僕に力を貸してくれませんか?」

「勿論だ。出来る限りのことはしよう」

健二の協力を取り付け、ネギパーティは安全の状態となった。後は超を止めるのみとなった。一行はいざ戦いの地へと別荘の出入り用の魔法陣へと歩を進める。そんな一行をやや離れた場所でエヴァンジェリンとチャチャゼロが見ていた。それを見つけた健二は声を出さずに唇だけを小さく動かし……

「開門!」

戦いへと向かうべく、旅だった。



「よっし、まずこれからどうするの?」

「午前中は動かないと言っていたので、しばらくは特にすることはないんです。他の魔法先生方に知らせて策を練るぐらいしか……」

別荘から出て、皆が皆やる気に満ちている。だが、健二だけは知っている。今のこの世界では、最早超に対して出来る事はなにもないことを。

「残念だが、超を止めるにはもう一つ越えねばならん壁があるようだぞ」

別荘に張り付いていた超からの手紙。彼女が勝利を宣言する手紙を、健二はネギに差し出した。



「そん、な……」

「つまり、戦う前に負けた……ってこと?」

超の計画の全貌。そして何より既に終わってしまったという事
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