第三章
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そのコーヒーを飲みながらだ、正典は言うのだ。
「どっちかか」
「脂肪率増えたくないよね」
「成人病に自分からなりたい奴いないだろ」
「だったらね」
どちらかを選べとだ、智は言うのだ。
「そうすればいいから」
「俺運動嫌いなんだよな」
正典はこのことは暗い顔で俯いて座って述べた。
「どうしても」
「そうだね、いつも言ってるよね」
「じゃあ節制しかないか」
「うん、色々とね」
「それで脂肪率減らさないと駄目か」
「そうした方がいいよ」
智はその正典に顔を向けて彼に告げる。
「運動が嫌ならね」
「やれやれだな、しかし本当にな」
「気付かなかったんだ」
「体重だけじゃないんだな」
長い間人は体重だけを見ていた、脂肪率に気付いたのはかなり後になってからだ。こうした健康についての考えも進歩していくものなのだ。
「いや、わかってるつもりだったけれどな」
「自分がならないとわからないものだよね」
「そうだよな」
自分でも言うのだった、智に対して。
「本当に」
「僕も気をつけないとね」
智もここで言う。
「運動はしてるけれどね」
「走ってるんだよな、毎朝」
「それにジムにも通ってるよ」
そうして今も身体を鍛えて整えているというのだ。
「そうしてるよ」
「だよな、けれどな」
「うん、成人病にならない様にしてね」
「そうするよ、それじゃあな」
無糖のブラックコーヒーを飲みながら応えた彼だった、そしてだった。
正典はこの日から間食を止めて甘いものやビールの量をセーブした、その結果次の健康診断ではどうなったかというと。
笑顔でだ、こう智に言えたのだった。
「脂肪率が減ったよ」
「どれ位かな」
「二十だよ」
その数値になったというのだ。
「節制した介があったよ」
「よかったね」
「ああ、本当にな」
自分でもこう言う位だった。
「これでまずは安心か」
「うん、けれどその分体重は」
「変わらないけれどな」
運動はしていないので筋肉はついていない、それでそちらは減ったままだtった。
だが、だ。彼は笑顔で言うのだった。
「けれど脂肪率が減って何よりだよ」
「うん、それでだけれど」
「これからもだよな」
「そうだよ、少しでもいいからいつも気をつけてないと」
「また増えるんだな」
「脂肪率でも何でもね」
そうなってしまうというのだ。
「だから気をつけようね」
「これからはな」
こう二人で話す、とにかくだった。
正典は一つ大きなことお勉強した、体重だけで全てはわからない、他のことも見てそのうえで考えていかねばならないということを。健康は一つのことを見ているだけでは維持出来るものではないのだ。
脂肪率 完
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