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思い出は共に
第一章
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 だからだというのだ。
「最期を迎える為にここに来たんだしな」
「最期って」
「そうさ、それでだけれど」
「それで?」
「この船の話を聞きたいかい?」
 イアソンは自分のことから船に話を変えてきた、その話はというと。
「この古い船の」
「ずっとここにある船だけれど」
「前はここにはなかったんだよ」
 この岸辺にうち捨てられてはいなかったというのだ、かつては。
「普通に海に出て何処にでも行っていたんだ」
「そうだったんだ」
「そうさ、多くの英雄を乗せてな」
 老人の目はさらに懐かしむものになっている、そのうえでの言葉だ。
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