暁 〜小説投稿サイト〜
強迫観念
第六章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初
の選手達であるが。
「黄金時代再びってね」
「なって欲しいのね」
「そのこともお願いしてるの、カープ勝って欲しいわよね」
 千佳は無意識のうちに友達に話す、頼むといった顔で。
「そう思うのよ」
「気持ちはわかるわ」
 そして、だと。友達はここからのことあえて言わなかった。
 似てるわね、この言葉はだ。
 それでだ、こう千佳に言ったのだった。
「カープも出来ればね」
「胴上げみたいわね、生きてるうちに」
「それで願掛けなのね」
「そうしてるの、毎年厳島神社の神様にね」
 千佳もそうしているのだった、自分では気付いていないが彼女も同じだった、それで今も着ている赤い上着の袖のところを見て言った。
「この赤い上着もね」
「カープね」
「しゃもじも持ってるし、願掛けはしてるんだけれどね」 
 困った苦笑いも見せる、千佳も何かと大変である、彼女の兄と同じく。友達もそれは見ているがあえて言わないで温かい目で見守るのだった、ささやかだが必死の願掛けを。


強迫観念   完


                   2013・6・24
[8]前話 [9] 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ