ターン31 決戦!三幻魔〜幻魔皇、ラビエル〜
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チャクチャルさんの効果をもう一回使って………」
「なあ、人間よ。名はなんという」
まったく、今日はよくセリフを止められる日だ。えっと、人間ってのは多分僕のことなんだろう。むしろこの流れでそうじゃなかったらびっくりだわ。
「遊野清明。覚えといてね、ラビエル」
「ああ、覚えておこう。だがな、一つだけ言わせてくれ。お前は人間のために戦ったのかもしれんが、我にもふたたび封印されていった仲間の仇討ちという大義がある」
「それで?」
言いたいことはわからないでもないけど、だからと言って今更勝ちを譲るつもりはさらっさらない。ここまでやっといて結局負けちゃって『20XX年、世界は幻魔の炎に包まれた―――――』なんてオチは御免こうむりたいしね。
『高攻撃力で敵を外側から叩きのめすサイバー流とトラップ封じで内側からデッキコンセプトを破壊するサイコ流が一子相伝で受け継がれていきそうなオチだな。まあ冗談言ってる状況でもねえか、なーんか怪しいんだよなあ、あの伏せカード。止める手段がないってのがまたイラッとくるな』
そう言われて、ちょっとだけ緊張する。やだな、変なこと言わないでよユーノ。ここでチャクチャルさんの効果を使う。1200のバーンをもう一回与える。僕が勝ってハッピーエンド。それでいいじゃない。………ねえ?
「つまり、だ。我にも最後に残った幻魔皇としての意地がある。この勝負、たとえ差し違えようとただ負けるようなことにはしない!リバースカードオープン、破壊指輪!我はフィールド上に存在する我自身を対象にしてこのカードを発動する!」
『………っ!!』
ラビエルが右手で天を指さすと上空の黒雲から雷がその人差し指に落ち、そのまま指にまとわりついて指輪のような形になる。そして、その指輪を中心として、フィールドのすべてを吹き飛ばすような爆発が起きた。
破壊指輪
通常罠
自分フィールド上の表側表示モンスター1体を破壊し、
お互いに1000ポイントダメージを受ける。
「そん、な………」
「言っただろう、たとえ差し違えようともただ負けるわけにはいかないと」
殉教者―ラビエル― LP200→0
清明 LP200→0
負けた。いや正確には引き分けだけど、闇のゲームでライフが0になったことに変わりはない。魂を抜かれるってのはどんな感じなんだろうとぼんやり思った瞬間、猛烈な勢いで体中の力が抜けてきた。腕を上にあげることができない。足がふらつき、地面に崩れるのを止めることができない。今何か叫んだのは、ユーノだろうかチャクチャルさんだろうか、それともほかの誰かだろうか。あるいは、誰も何もしゃべってなんかいなかったのかもしれない。どちらにせよどんどん耳が遠くなってきていて、もう何も聞こえない。目
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