第三章
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「テーマパークとか映画館とか」
「あっ、それはね」
「それはって?」
「まだね。まだ待って」
「待ってって」
「私こうしたことあまりなかったから」
自分でもここで顔が赤くなっていることがわかる、そのことを自覚しながらそのうえで彼に対して話したのだ。
「どうしていいかわからなくて」
「俺もだよ、それ」
彼からも言って来た。
「実はね」
「その割りには慣れてると思うけれど」
「無理してるんだよ」
「そうだったの」
「告白したのもはじめてだったし」
私にそうしたことがだというのだ。
「それにデートだって」
「それもなの」
「そうなんだ、実はね」
「意外ね、とてもね」
「思えなかった?」
「明るくて砕けた感じだったから」
その声をかけた時のことだ。それで私も彼の誘いを受けた。
「それでなの」
「悪い奴と思われたらどうしようかって」
「そういえばそうね、いきなり声かけてきたし」
「しかもはじめてお話したから」
「言われてみれば私も危ない行動だったわね」
「しかも君空手部だよね」
「ええ、そうよ」
実は部活もしている、部活はそれだ。
「中学の時からしてるわ」
「黒帯だよね」
「二段よ」
左手にいる彼にその左手を出す、ブイサインをする様にしてそのうえで彼にその二本の指を見せて告げた。
「それ位よ」
「空手二段ってことは」
「まあ、一人位ならね」
「一人どころか武器持ってる男三人でも勝てるよね」
「そうかも知れないわね」
「そんな娘に声をかけるから」
誤解されればというのだ。
「叩きのめされるかなって思ってさ」
「怖かったのね」
「言うまで結構時間かかったよ」
私に告白すると決意して実行に移すまではというのだ。
「本当にね」
「そうだったのね」
「そうだよ、慎重だったんだよこれでも」
「ううん、明るく気さくだって思ってたけれど」
「実はね」
それはというのだ。
「内心どきどきしてたんだよ、びくびくして」
「私もどうなのかしらって思ったけれど」
「よく俺の誘い受けてくれたね」
「相手もいなかったし」
フリーだった、私の場合それが大きかった。
「悪い印象受けなかったしね」
「それで誘いに乗ってくれたんだ」
「そうなの、まあ実際に悪い人だったら叩きのめしていたかも」
そうしたことをしてきたその瞬間に、実は部活の空手は実戦的で急所攻撃も教えてもらっている。何処が急所とはあえて言わない。
「その時はね」
「本当によかったよ」
「すぐにはじまったと思ったけれど」
三日前にデートに誘われてからだと。
「それでもね」
「違うのね」
「そう、違うから」
こう私に言う。
「俺凄く時間かけて悩んで勇気出してだったんだよ」
「遅かっ
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