第114話
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もしかして、五分経っちまったのか!?」
「あの化け物が居ないのなら大丈夫よな!
お前ら、上下艦の準備をするよな!
シスター達を全員助けるぞ!」
天草式のメンバーは持っている紙束を海に向かって投げ捨てる。
紙は上下艦に変換すると、海に投げ出されたシスター達を回収していく。
もちろん、上条達も海に投げ出されたが、すぐに回収された。
全員回収し終ると、上下艦は海面に飛び出す。
海面に出た時には、台風は跡形もなく消し飛んでいた。
おそらく、あの台風のある所に麻生はいた筈だ。
上条達はそこで麻生が戻ってくるのを待っていたが、一向に帰ってくる気配がしなかった。
麻生は海の中でゆっくりと沈んでいた。
能力使用時間はとっくに無くなっている。
天地乖離す開闢の星を撃った時点で、残り時間は数秒しか残されていなかった。
何とか海底から脱出する事はできた。
しかし、麻生の身体は莫大な魔力を集めた事による、負荷と乖離剣を使った影響で身体はボロボロだった。
故に泳ぐ力も、浮く力もなくただゆっくりと沈んでいた。
あの『剣』に名前はない。
とある英雄王はこの『剣』にエアという名前を付けた。
または乖離剣とも呼ばれている。
天と地を分けた一撃を放つ『剣』にこれほどピッタリの名前はないだろう。
乖離剣は人の望みによって作られながら、人の意思に影響されず生まれる「神造兵装」の一つ。
つまり、人の手には余りある兵器なのだ。
いくら麻生が星の力を使えるとしても、所詮は人間。
人間が「神造兵装」を扱える訳がない、使えてもその力を発揮する前に、身体に負荷がかかり死んでしまう。
麻生が扱えたのは星の加護によるもの。
しかし、身体にかかる負荷までも消し去る事はできない。
本来なら、治癒と並行して扱うのが一番なのだが、クラーケンの進行を防ぐには天の鎖を最大限強化しなければならかった。
治癒にかまけている暇がなかった為に、今はこうして海の奥底に沈んでいる。
だが、麻生はこうなる事を予想していた。
(やっぱり、こうなったか。)
そう思ったが、後悔はなかった。
あのクラーケンを倒す事ができて、麻生の胸には少し達成感が湧いていた。
(これで終わりか。
まぁ、俺らしい最後かもな。)
ゆっくりと目を閉じる。
もう息はほとんどない。
このまま溺死するだろう。
後悔はなかったかが、少しだけ心残りがあった。
(あいつらを最後まで見守る事ができなかったな。)
そう思いつつ、麻生の意識は途切れるのだった。
目が覚めると、そこは一面黒の世界だった。
これは死後の世界か?と麻生が考えた時、突然、目の前に女性が立っていた。
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