第七十三話 狂いだす歯車
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コロニーレーザー、レクイエム――――二つの強大な大量破壊兵器の崩壊は一見してみればザフトにとって不利益を被るものと見ることが出来る。しかし、実際には彼らにとって痛手にすらない程度の被害といえた。元はどちらの戦略兵器も連合の物であり、ザフトにはあって得することはあっても、失って損するというわけではない。
結果、彼らにとってこの二つを失ったことで受けた実質的な損害はファントムペインの奇襲によって撃墜されたMSや艦の被害とレクイエムの防衛で迎撃された量産機のMSやデスティニーインパルス位でしかなかった。
「それにしても、一体誰がコロニーレーザーを破壊したっていうんだ?」
イザークやディアッカ達はジュール隊等の受けた被害報告を確認しながらコロニーレーザー自壊の原因を探る。直前まで何一つ異常なしに動いていたことを考慮するに何らかの外的要因があるはずだと少ない時間の中で多少は調べたのだが、特に進展もなく、誰が破壊したのかはディアッカには皆目見当もつかなかった。
「わからん……しかし、映像を確認する限り外部からの攻撃による破壊ではなく、内部――あるいはそれに準ずる場所からの攻撃だとしか思えん」
「本当かよ?じゃあ誰かが態々危険を冒してまであのタイミングで内部に侵入して破壊したっていうのか?」
事実、彼らの予想通りネオのライゴウが内部まで侵入して破壊したのだが、そもそもコロニーレーザーを発射させようとしたのがネオ等ファントムペイン自身が行った事なので、止めたのもファントムペインだという発想は流石に出てこない。
二機以上突破したMSが居たのなら何らかの仲間割れが発生したのやもしれないと推測することも出来ただろうが――――生憎、確認できた中で突破されたMSは二機しかいなかった。ミラージュコロイドも警戒していたので突破したのは一機だけの筈である(ダナはこの時点でザフトの識別信号を使っていたので認識されていない)。
「ディアッカ、向こうの方はどうなっている?」
「メサイアっていうデスティニープランの基盤になるらしい要塞施設がでたらしいぜ。いよいよ本気で動き出すって感じだな」
イザーク達もデスティニープランに対する不信感が一切ないというわけではない。だからこそ、自分たちにとって後悔だけはしないように選択したい。
「俺達もメサイアの防衛につくのかね?」
「まだわからん――――戦場になるのはメサイアだけとは限らんからな……まだ戦争が続くことは確かだろうさ」
新たな機体の申請もあっさりと受け入れられており、まだ届いたわけではないがおそらく次の命令と共に何らかの情報が送られてくることは確実だとイザークは思っている。
「それにしても、貴様は本当に機体の申請をしなくて良かったのか?」
「オイオイ、まだ俺の乗ってたザ
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