第七十三話 狂いだす歯車
[6/6]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
叫びと同時に、レイが腰に取り付けたホルスターから銃を抜いて突如発砲した。突然の攻撃ではあったがアスランはシンの叫び声と、レイがホルスターに手を掛けた瞬間を見て咄嗟に体を転がすように躱し、何とか避けきる。
「後々に脅威となるものは徹底的に排除すべきだ。貴方のような内側に巣食うに人間は特に」
「オイッ、レイ!ちょっと待て!?」
ハイネがレイを止めようとするが、レイは気にした様子もなくそのままアスランに向けて数発発砲する。
「グッ……これが狙いか!」
議長の方を向いた瞬間、彼が嗤っていたのが見えた。シンやハイネはレイの方を向いているので議長の方に向いておらず気づいてはいない。ともかくこの場にいては危険だとアスランは判断して部屋から逃げる。
「レイ、何で!?」
後を追っていったレイに向けてシンが疑問を投げかけるが、それを諌めたのはその場で一人座ったままの議長だった。
「止めておきたまえ、シン。使えなくなった部品は、その錆を落とすよりも取り換える方が早く済む。彼は駒として今まで良くやってくれた。だが、そろそろ退場させるべきなのだよ」
以前の議長であったならばもっと念を入れて彼らのいないうちに処理しようとしたかもしれない。レイが動こうとするのを今は時機ではないと止めたかもしれない。しかし、彼はそれをあえてしなかった。彼らにも不信感を植え付けるために――――既に運命の歯車は狂い始めていた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ