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ゲルググSEED DESTINY
第七十三話 狂いだす歯車
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っていく。これが完全平和を成し遂げるものであり、幸福な人生とは言えないか?あるはずもない可能性を信じ、報われるはずのない努力を行い―――それでも、それでもなおと縋り付いて届かぬ夢に手を伸ばす。
そして、それが人々の不満となり、その不満の捌け口として戦争がおこる。結局は負の連鎖なのだ。私はロゴスを討つというでその負の連鎖を一度払拭した。その上で私はデスティニープランを使い、それを完全に断ち切ろうというのだ。時機は今しかないのだよ」

「確かに戦争のない世界は望むべきものです。ですが、私には―――それが幸福だとは思えません」

「ほう、何故だね?」

周りにとっては予想外の言葉に驚愕するシンとハイネ。レイは眉を顰めるが議長とクラウは対して気にした様子を見せず、それどころか先を促すように言う。

「人が生きていく上で、まるで役目だとか役割だとか、彼ら自身の意志を全く考慮していていない。それは人のあるべき姿ではないはずです」

「ああ、そうだろうね。だが、その意志こそが戦争の引き金となるものだ。人は他人を信じないからね。信じないから疑い、疑うから他人を悪いと思い始める。故に、それを廃するのは当然の事だろう?」

「人の心を大事にしない世界を創って、なんになるっていうのですか!」

結局は水掛け論だ。互いに見ている景色が違う。かつてキラが言ったように平和へと導くビジョンが違うのだ。しかし、アスランもそれは理解しており、少なくとも現時点では認めるつもりではいた。今回の戦争が終わるのは少なくとも確定した事実だ。
ならばアスランとしてもそれを受け入れるべきだとは思う。どちらにせよ、デスティニープラン自体は発令されたのだから。その上で戦争が終わった後に変えていくべきだ。デスティニープランは未だ草案に近いものであり遺伝子によって運命を定める方法は強制だと発言している。付け入るべき部分はそこであり、内政からの変化を促せば止められるのではないか?

「今は受け入れてくれないかね?君のような人材が求められているのだから」

それでも喰ってかかったのは彼ならば理解してくれると、そう思っていた部分があったからだ。理解し、自身の力不足に苦悩を洩らしたのならばアスランは彼と共に歩めると思っていた。
アスランは自身が考えているような平和は理想論に近いという事は理解している。それでも、遺伝子による強制的な世界は認められない。とはいえ、今反抗したところで何かが解決するというわけでもなく、アスランも渋々ではあるが了承しようとした。しかし、そういった意見の食い違いによる疑心暗鬼が一人の人間を突き動かす。

「今の貴方ならギルの主張を理解してくれると思ったんですがね。そうやって逃げ口上ばかり上手くても、生きてはいけませんよ」

「レイ!?」

シンの
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