第七十三話 狂いだす歯車
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いているはずである。であればミラージュコロイドを感知することの出来るカメラやセンサー類を使われれば、後方で待機していると言えども、その内確実に見つかることになるだろう。
「これ以上は危険ですよ、船員全員を危機に曝させる気ですか!」
イアンに対して意見を申し立てるクルーの言っていることは正しい。これ以上この場にとどまれば見つかることが無くとも敵の警戒範囲に含まれてしまう。そうなれば逃げることもままならないだろう。
「リー少佐、撤退のご決断をッ!」
「……止むを得ないか」
流石にイアン・リーとしてもこれ以上は待つことが出来ないかと判断し、ネオの帰還を諦め撤退を決断しようとしたその時、
「待ってください!艦前方、熱源確認!これは――――味方機です!」
「何ッ!機体は何だ!」
「ロアノーク大佐の搭乗機であるライゴウです!」
艦橋内のクルーは一斉に歓声を上げる。
「迎えの部隊をすぐに出すように伝えろ!回収後は全速でこの戦域から離脱する!」
ガーティ・ルーへと向かいライゴウが軌道を調整するが、逆噴射を行っても速度はあまり変わらず、まともな着艦は無理があると判断して回収するための部隊を送り出す。核爆発の危険性があるライゴウを流石に艦内に入れるのにはネオも躊躇ったのか、回収に来た部隊の方へと乗り込み、艦に帰還した。
「よく無事で……正直な所、もう無理かと思っていましたよ」
『言っただろ?俺は不可能を可能にする男だって――――それよりも話すことがいくつかある。疲れてる悪いが、戦域の離脱後に話せるか?』
「疲れているのは貴方の方でしょうに……わかりました。部下に準備させるよう伝えておきます」
ひとまず、ファントムペインとしての最後の戦いはこれで終わったとも言える。何せファントムペインの母体である連合やロゴスの上層は完全に壊滅し、彼らに指示を出来る人間も、彼らを支援する人間もいなくなってしまったのだ。しかし、彼らの戦いはまだ続くことになる。私怨、プライド、矜持、様々な理由で彼らはファントムペインとしてではなく、連合の敗残兵として戦うつもりだ。
これからも色々と苦難は待ち受けているだろう。しかし、それでも今の彼らは戦いを終えたことに喜びを分かち合っていた。。
◇
「ミネルバの部隊がメサイアへの入港を求めていますが?」
「構わん、私が呼んだものだ。許可してくれたまえ」
メサイアへと到着し、ミネルバのフェイス所属のMSパイロットが一時的なメサイアへの入港を求めたことを報告する。当然、そうする様に命じていたのは議長本人であるため受け入れを許可し、彼らはメサイアに入庫した。
「やあ、よく来てくれたね。皆、この長い戦いによく頑張ってくれた。君たちのおかげで
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