十八話
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ミチの身に迫る。強化効率を上げて対応しようにも、それを見越したかの様に健二が効率を更に引き上げ圧倒する。そしてついに、健二の攻撃がタカミチに届いた。
「驚いたな。まさかここまでとは」
健二が放った一発の突き、それは確かにタカミチに届き顔に何時もかけられている眼鏡を弾き飛ばしていた。
「おおーっと! この試合初めて、宮内選手の攻撃が当たったー!!」
タカミチは生徒達にデスメガネというと通り名で恐れられている。通り名で使われるぐらい、生徒達にとってあの眼鏡はタカミチの象徴なのだ。それが落とされたことで、今まで静寂が続いていた観客達が一斉に歓声を上げる。
「これは、僕も本気にならないと失礼かな?」
「まさかっ!?」
白熱する観客達とは対照的に健二の体は冷え切っていく。あれが、出るのだ。究極技法と呼ばれるタカミチの切り札が!
――――左手に魔力……
健二はなりふり構わず戦いの歌の出力を最大まで引き上げる。恐らく健二如きの魔力量では最大間で上げた所で究極技法には敵わない。だからといって、諦めるわけにもいかない。
――――右手に気……
ここからが、本番の本番。RPGで言えば、ラスボスの第二形態。
――――合成、咸卦法!
豪! という大きな音を聞いた瞬間、健二は腹部に重い衝撃を感じ痛みを感じる前に続いて顔にも衝撃を受けて、成す術なく地面と水平に吹き飛ばされた。
その全貌を把握出来たのはエヴァンジェリン、刹那、楓、ぐらいだっただろう。それほどまでに、今のタカミチの動きは圧倒的だった。究極技法、咸卦法を発動するやいなや楓を上回るレベルの瞬動で健二へと接近。左のボディブローからの右ストレートで健二を殴り飛ばした。
「咸卦法……まさか使うとはな」
「立てる、だろうか」
「厳しいでござろうなぁ」
エヴァンジェリンはステージで悠然と佇むタカミチに。刹那と楓は自分達から然程遠くない場所に飛ばされてきた健二へと眼をやる。身じろぎ一つしないことからもしかしたら気絶しているのかもしれない。
「健二!」
ようやく頭が理解したのか、明日菜が一目散に健二へと駆け寄ろうとする。だが、それは小さな二つの影……ネギと小太郎に止められた。
「アカンで! まだ試合中や!」
「そうですよ! 健二さんが失格になっちゃいます!」
「は・な・し・な・さ・い・よー!」
何が試合だと言わんばかりに明日菜は二人を振りおどこうとするがいかんせん二人がかりでこられては明日菜も分が悪い。必死に健二の元へ行こうとするが、その場からは一歩も動く事は出来なかった。
「健二! 健二ー!! アンタ、起きなさいよ!」
どうあがいても振りほどけないと悟ったのか、明日菜は抵
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