第十二話 〜わたしの帰る場所 -Home-【暁 Ver】
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った為に、気にも留めなかったのだ。だが、ティアナは聞くべきだった──── その時、彼女が何を見ていたかを。
「レリックの確保に失敗しました。如何なさいますか?」
どこかの研究施設といった雰囲気な場所。複数のモニタに展開された『彼女達』の映像を男が見ていた。白衣を普段着のように着込み、知性的な顔立ち。だが──── それとは裏腹にその瞳には狂気を宿していた。
「放って置けばいい。あればあったで使い道はあるが、なくても困らないよ」
『では、彼女たちは?』
「ん? プロジェクトFの残滓かい? 『動いて』いるのを見るのは楽しいが、過去の成果には、然程興味はないな」
男はモニタに映し出されている一人の女性と少年を、まるで人形を見るような瞳で見つめていた。
「そんな事よりも彼女だよ。データは取れたかい?」
『『何もわからない』というデータであれば、取れています』
男はそれを聞いて心底楽しそうに嗤う。
「思わぬ拾いものだったね。魔法の発動は一切検知されていない。レアスキルかね? 一体どうやって空を駆けるんだろうな。そして……『AMF』が展開している中で、どうやってあれほどの強度を誇る障壁を使えるんだろうね。興味が尽きないな。是非とも──── 解体してみたいねぇ」
『……それでは、死んでしまいます』
「死ぬ? 死ぬと言ったかい? 一体何を以て、死んだと定義するのかな? 脳と脊髄。そして、それを生かす為に一部の臓器さえあれば、肉体など必要ないよ」
男はまた嗤う。本当に楽しそうに。新しいおもちゃを見つけた子供のように──── 男は嗤った。
〜わたしの帰る場所 -Home- 了
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