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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
女教師曰く、彼は叶わない理想を抱くロマンチストである。
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全無視。
 彼女は「私が正しいわ」と言ってから胸のない体躯をくるりと翻し、颯爽と帰っていった。
 一方で僕は笑っていた。
 まさに笑うしかないと言った感じだ。

 楽しくも無いのに笑いやがって、気持ち悪いんだよ。
 だなんて昔の言葉も笑えてくる。

 少なくとも僕は自分の不幸などには酔っていない。快楽原理に基づいていない。
 そう断言できた。
 それでも俺は笑っていた。

 分からなかったけど、何だか面白かった。確かにこいつらも普通って感じじゃない。
 なかなか味のある連中ではないだろうか。
 もしこの世界が物語で、仮にライトノベルだったりしたらなかなかのキャラ風情ではないか。
 何にもない手ぶらの自分じゃ付いていけるか不安でさえある。

 また俺はにやっと笑った。
 役不足かも知れないが、主役のつもりでこちらも演じさせていただこう。



 嗚呼、僕なんで生きてんかな。
 死んだって良いのに、やめたって良いのにやっぱり物好きなんだよ。

 そうだな。生きる理由ね。……やっぱり素直に、

 《笑ってたいよ》――。


 僕の暗くて小さな部屋の隅。
 そこに情けなく、寂しく侘しくポツンと立て掛けてある記念写真。
 その景色が存在する世界に意味を感じ、価値を感じ、精一杯誠意一杯生きていた、
 屈託のない笑顔でピースサインをする男の子。


 ――そんな彼の名前を思い出せそうな気がした。

 そんな気がした可愛いゴムで髪を束ねた僕であった。

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