第四章
女教師曰く、彼は叶わない理想を抱くロマンチストである。
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型ガールッシュ(ボーイッシュの反義語が分からなかった。実際は何て言うの?ガーリスト?)にされて道化演じるの辛かったんですが。滅茶苦茶喋りまくった気がします。
で、なんでお礼なんかしなくちゃいけないの?こっちはお礼って言うか謝罪求めれられるレベル。きっと裁判とか勝てる。
「雪ノ下は以外にも君の更正に積極的でな、詳しくは分からないが、なにか思う節でもあるのかもしれん。……実は君と由比ヶ浜との間で起こったことを教えてくれたのは、他でもない雪ノ下雪乃なんだ」
だから礼を言えと?何故に?
別に僕が困ったわけではない。
余計なお世話である。
「めんどくさい」
「……。もう吹っ切れて、黙って行きたまえ。部員を待たせるのか?」
平塚先生は煙草をグリッと灰皿へ押し付けると、言ったのだった。僕も何だか急に視界が明るくなったように思えて、少し拍子抜けした。時に人は悩みを膨張しだす。まったく悪い癖だと思う。
それにしても急に邪険に扱いやがって、俺がロマンなんたらだって話は何処へ行った。
そうして頭を冷やして冷静になってみると、先生の言葉がその冴えた頭に響いた。
『君はなにも見てきて来なかったんじゃないか?』
違う。違う。チガウ。
何時もならこうして狂人らしく否定するところだが、今日は肯定から入ってみた。
その通りだ。僕は何にも見ちゃいない。
誰を騙すでもなく嘘を吐いているのかも知れない。
本当のことは僕のグシャグシャな頭のなかで滅茶苦茶に捻曲げられていて、複雑と化しているのかも知れない。だから僕の饒舌な説明文と自分の心境はただの誤魔化しだ。嘘だ。
言葉には出せないほど出来事が多くて難解で、面倒になってしまっている。
だから、追求しない。嘘を吐いてれば物語が進み出す。しかし、根本を忘れて……。
――どうしてこうなった?
価値のないものを切り離していっただけなのに。
《価値のあるものを得たかった》ただそれだけなのに。
結局なんの結論も出ないまま、僕は職員室のドアを開けた。
僕の思考回路の分類すらできなかった。
冴え渡ったと勘違いした僕の沸騰した脳味噌に、刹那、言葉が届いた気がした。
『君はもっと他人に図々しくありたまえ』
何かが聞こえた気がした。
……やはり気のせいだった。
× × ×
部室に戻ると皆がうろたえていた。
どうやら面識のない得体の知れぬ者が小説の原稿を持ち去ったらしい。まごうことなき冤罪だった。ってかやっぱり酷すぎるな。精神崩壊待ったなし(笑)。
俺が原稿用紙を差し出すと、彼らは『あっ……』と、何やら察したような顔をしてこちらを見た。
なにそのちょっとおかしい人を見
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