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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
女教師曰く、彼は叶わない理想を抱くロマンチストである。
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から、奉仕部に入部させられても《とりあえず》人との関わり合いを大切にして生活しようと思いました。
 嘘で話題を広め、虚偽で人を楽しませ、なあなあに言いくるめ、何処かに自我があるフリをしました。
 でも、何処か冷めていました。

 いつまでもそうなのでした。僕はずっと夢を見続けるべきだったのです。
 意味もなく笑っているべきだったのです。

 ――僕が本心を口に出すと録なことが起こらなかった。
 精一杯道化を演じましょうか。

「罪悪など僕は犯してはいませんよ。僕は本当は誠実なんです。皆が忘れただけで、全ては知らないだけで……しかし僕は決して高尚ではありません。聖者なんかには程遠い。何者にもなれるようになった代わりに何者にもなりたくない。素晴らしくあるべきものがどうしてか僕の前では哀しいだけで――素晴らしくありたいのに誰にも興味を抱けない。人間に関心を得られない」
「更正はできない?」
 ――ええ。希望を一瞬でも抱いた僕が愚かでした。と、だけ述べた。

「しかし、君は一人では生きられない」
「ならば三日間飲まず食わずで野垂れ死にます。それでも三日間は生きられますから」
「君は本当に愚かだな。まったく愚か者の鑑だ。……鏡を見てこい。お前の目は、何にも見ちゃいない。ただ勝手に失望し、逃げているだけだ」
 別に逃げてないだろ。生きるっつてんだ。死んでも、平坦なだけで、なにも変わらないだけでね。
 つまりは現状維持だ。考えても見ろ。
 中途半端に優しくされて、甘やかされて、それでもって《こんな不便な人間》として扱われるより、《こんな不便》として扱われない方がいいだろ。
 ただの不幸を味わうことになる。リスクはいらない。だから結果はなくていい。
 ――不安が募る。誰かを不幸に巻き込むことになりそうだ。
 意識などさっさと手放したいと思います。

「素晴らしくありたいのに厄介者は他人を不幸にするだけだ。幸せにだってできないし、他人の幸せに価値はない。僕だけがくたくたに疲れて、自分を捨てそうになるだけです」
「なら簡単じゃなか。他人を幸せにして、そこに価値を感じるように更正はする。それでいいだろ?」
 壁が多すぎるだろ……。
 もういいよ。飽きたし。満足したってば。
 夢物語は結局紙の上でしか語られていない。
「桐山。まずはまともな人間関係を築きたまえ!そこからサイア……新しい自分をだな、探さないか?」
「比企谷のやつが聞いたら怒りそうですね」
 つーか絶対サ○ア人って言い掛けたろ。新しい自分=サイア人ってどんなニュータイプの発想だよ。
 ……でも年齢からして僕は平塚先生の発想はオールドタイプだと思いました。

「それじゃあ桐山。雪ノ下には礼でもして行けよ?」
「……はい?」
 なんでだよ。ついさっき髪
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