暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
女教師曰く、彼は叶わない理想を抱くロマンチストである。
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 なに勝手に見放してんだ。……痛いって言ってるだろ。……本当に僕の言葉は届かないんですか?
 いや、それ、も、痛い……フリなのかな?真似?迷い?世迷い言?僕のこころは痛んではいないのかい?
 ……てゆーか《こころ》ってなあに?

 ――それは感じないもの。
 思い出ってなあに?――それは暗い部屋のこと。
 友達ってなあに?――思ってたもの。そして違っていたもの。思い込んでいたもの。
 友情ってなあに?――それは、手に入らなかったもの。

 意味も何もない自問自答は終わらない。

 人ってなあに?――……。
 愛ってなあに?――……。
 親ってなあに?――……。
 嬉しいって、なに?……。
 悲しい、ってなに?……。

 俺って何方(どなた)
 僕って何者?

《桐山 霧夜?……知らないな》――知らないね。そうだね。勝手に上がって、ゴメンね。
 もう、来ないよ。少なくとも、あなた達の意識の目の前には……。

《お父さん》――。

《お母さん》――。
 帰れとか、気持ち悪いとか、寄るなとか、気違いとか、誰だとか、何だとか。そんなこと言わないでよ。
 どうして思い出せないの?なんでそんな困った顔をするの?ヤメテヨ……。ソンナ顔。
 ボクは、ボクハ――アナタタチノコトヲズットタイセツニオモッテイタヨ……?
 ワスレタ?許さねえぞ。全員、全員、……全員、――ああ、もうどうだっていいや。

 ぶん殴らなくていいや。絞め殺さなくていいや。踏みつけなくてもいいや。軽蔑しなくていいや。
 何もしなくていいや。僕の知らないところでどうとでもなってくれたまえ。
《人間》
《愛》
《感情》……について。

 回答を準備してみた。
 ……それらはね。俺がね、僕がね、この桐山霧夜って名前の名前がね、なり損ねた、もの。
 得られなかったもの。感じ損ねたもの。どれもこれも欲しかったけど、無理なもの。

 やはり手が届かないもの。
 昔はもっと近くにあったような気がするけれど、もう遅い。
 手遅れだし手の施しようもないだろう。嗚呼、今日も落ちぶれる。堕ちていく、深く、深く……。

 今の生き方に飽きていて、今の生活に死んでいる。
 けれども他の生き方は認められなくて、認めるもなくも意味などなくて。不幸も悲しくなくて。それ以前に生活が平坦で。平坦も平坦で。幸せは過去で、実はそれは偽物で。呆気に取られる間もなく府抜けて。しかし、それは仕方なく。僕はダメで、ダメもなくて、善悪が分からなくなって、人を忘れて、命に冷めて、死にたくなれなくて、考えられなくて、死ぬだけ無駄で、僕の前にはマイナスはやはり無価値で、プラスは無意味だ。
 けれどもそれは言わば《概念》のお話、現実は違うと思いました。

 だ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ