十七話
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む予定だ」
「一人で大丈夫なん?」
「大丈夫、だ」
健二は一人ふらふらとその場を立ち去った。
「良かった、体調は問題ない」
エヴァンジェリンの別荘で数日に渡りゆっくり休めたことで健二の体調は万全まで回復していた。超の主催者あいさつもそこそこに、健二はエントリーに向かう。道中、タカミチ達と雑談する明日菜達を見かけたがはなしかけることはなかった。
「さて……」
周りを見渡して見るが、どうやら原作で本選に出ていたメンバーはいないように思われた……が。
「田中……だっけ?」
超の企てている作戦で主力となるであろうロボット。黒のジャケットにサングラスの田中の姿があった。と言うか、グループわけされそのグループの上位二名が本選に出るのだから健二のグループだけ原作の本選出場者がいないなんてあり得ないのである。
「まあ、いいか」
あれを倒してしまっては超に眼をつけられるかもしれないが、どうせ自分が本選に出るには原作の人物を一人削らなければならないのだからと、健二は開き直った。
「それでは、試合開始!」
――戦いの歌!
試合開始のアナウンスと同時に無詠唱で戦いの歌を唱える。槍の代わりに棍を持とうかとも思ったが、予選でそこまですることもない。
(ささっと終わらせる)
健二は拳を硬く握り締め、参加者を次々撃はする田中へと駆けた。
「悪いが、そこまでだ」
瞬動。確かに田中はそれなりの戦闘力を持っているようだった。だが、それは一般人の範疇でだ。魔力や気で強化をする裏の者たちと比べれば、スピードもパワーも遥かに劣る。故に、瞬動を使った健二は容易くその懐に潜り込んだ。
――同調、開始!
エミヤの魔術属性は剣だ。そのため、強化なども剣から離れていくほどに効果が薄れたり、行使が難しくなる。こんな未来知識が使われているだろうロボットに強化を施すなど困難以外のなんでもないだろう。だが、それで構わない。元より、失敗するのが目的だ。Fate原作において、衛宮士郎はランプに強化を施した際、魔力を過剰に送り込んだか何かの理由でランプを割っていた。重要なのは、強化の失敗でランプが割れたということだ。その現象を、この田中で発生させる。
(滅茶苦茶な場所に、滅茶苦茶な量の魔力を!)
「ガ、ガガキノウ……ガテ、ピイシ」
細かい振動を繰り返しながら田中はそう漏らし、完全に活動を停止した。とりあえず、健二はそうなった田中を場外へ転がしておいた。その間に、他の戦いは終わっていたらしい。
「勝者、宮内健二選手と大豪院ポチ選手!」
「とりあえずはよし。さて、本選の相手は誰になるやら」
田中を倒したことで、原作と異なる組み合わせになればいいが……健二はそう思わずに
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