十七話
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刹那が興味をもつのも無理は無い。元来、魔力や気といったものを直接攻撃などできない。それが魔法や気弾といった指向性のあるものならともかく、だ。神鳴流の宗家のみに伝えられる奥義でなら可能かもしれない。それほどのものだったのだ。
「そういえば、その槍もアーティファクトなん?」
「いや、違うな。あれは私が持っているものだ。与えられたものではない」
戦闘時はいつも虚空から武器を取り出している健二だ。それをアーティファクトの顕現だと勘違いするのも無理は無い。だが、そうなると健二は双剣に弓矢、槍等いくつものアーティファクトを得ていることになる。幾人もの魔法使いと仮契約している。一つのアーティファクトが複数の姿を持っている。という可能性もあるが、健二は複数を同時に出すこともできる。それほどのものであれば間違いなく伝説級だ。それに健二が学園都市で育ったことは調査によって判明しているため前者の可能性も0に近い。以上の事から三人を納得させるのはそう難しくなかった。
(しかし、あれ程のものを所持している、ということには変わりない。全くもって、謎な人だ)
結局、健二について学園は有益な情報を得ることが出来なかった。修学旅行後、学園長が健二と話し合いの場を持ったが、それはどちらかと言うと協力に感謝を述べることが目的であったため情報を得ることはなかった。
「皆さん!」
「あ、ネギ」
「ずいぶん速かったな」
予想よりネギが速く帰ってきたため、刹那の思考がそれ以上続くことはなかった。最も、健二が憑依者であり、その力は神から貰ったなどどう考えても分かるわけがないのだが。
「タイムマシン、か」
タイムマシンと言う超アイテムに明日菜と木乃香がはしゃぐ中、健二は一人この場に居合わせたことを幸運に感じていた。というか、幸運どころではないほどに喜んでいた。Fateと言う作品を知る彼にとって、このタイムマシンは重大な意味があるからだ。
「健二さん、使いますよ」
「ああ」
彼は本当に幸せだろう。すっかり忘れていたこのイベントに居合わせることが出来たことで、思い人が一緒であるが別人になることは無かったのだから。
「ふぅ。良かった、成功みたい」
「ほ、本当に戻った!」
ネギは自らの意思で行使したのに成功したことに安堵し、明日菜はそれに興奮している。そして健二は……
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ああ」
「顔が真っ青やえ?」
木乃香に背を擦られていた。どうやら、健二は何故か一人だけ時間逆行にとてつもない嫌悪巻を感じたらしい。そのせいで、落ち着きを見せていた先の体調不良も一気にぶり返したようだ。
「私達とネギ先生は警備に行きますが……」
「エヴァンジェリンの別荘で休
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