十七話
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ーティファクトならばそれが可能かもしれない、と明日菜は一縷の望みを託して行動に映る。刹那直伝の二連続の蹴りから繋ぐ横薙ぎの一撃。渾身の力を込めて放ったそれだが、キス・プレデターと化したネギは容易く受け止めお返しと言わんばかりに武装解除を放つ。
世界樹によって強化されているのか、明日菜の魔法無効化能力を持ってしても完全にはキャンセルできず、着てきたセーラー服の右肩部分が弾け飛ぶ。それを見て明日菜の不利と判断したのか、のどかが自身が犠牲になると歩を進める。だが、それを明日菜が認められるはずがない。
「……何あれ」
「さ、さあ……」
グッドマンと佐倉に生温かい目で見守られながらも、二人のどっちが犠牲議論は続く。そこへ、ようやく刹那が到着した。だが、完全に明日菜とのどかに眼がいっていたその場の者達はネギの姿を完全に見失っていた。
「せ、せつなさんうしろー!!」
だから、刹那の後ろにネギを容易く回り込ませる様な事態を起こすのである。
「刹那さん危ない!」
気付いてからの行動は速かった。明日菜はネギの攻撃から刹那を助けるべく、体当たりで刹那ごと回避を図る。だが、勢いが強すぎた。刹那ともつれあう様にしてテーブルやイスに突っ込んだ明日菜は背中を倒れたテーブルに打ちつけた。
「……ったぁ」
痛みを堪えながら眼を開くと、そこにはネギの顔があった。そして、何か行動を起こす前に両手で顔を挟まれる。これは、不味い。近づいてくるネギの顔に抵坑は間に合わないと察した明日菜は、身を強張らせた。
「そこまでだ」
だが、ネギの顔は横合いから伸びてきた大きな手により阻まれた。この手を見て、その声を聞いた瞬間に明日菜は救いの主が誰なのかを悟った。
「健二!」
「ふふふ、貴方も邪魔をするんですか?」
素早くその場を離れたネギは健二に向けて構えをとる。だが、健二はそれを無感情な眼で見つめ、こう呟いた。
「その魔力を断ちきれ」
上空より飛来した深紅の槍。意表をつくそれはネギのすぐ後ろに突き立った。破魔の槍、ゲイ・ジャルク。魔力の流れを断ち切るその宝具は、世界樹の魔力をも容易く切り裂いた。
「あ、あれ? 僕は一体……」
こうして、ネギは誰の唇を奪うこともなく正気を取り戻した。
「さっきはありがと。助かったわ」
「気にするな。見つけたのはたまたまだからな」
ネギのキス・プレデター化阻止後、ネギは魔法生徒二人に説教を受けた後のどかとのデートに戻った。そして健二と事情を知る三人、明日菜・刹那・木乃香は喫茶店でお茶を飲みながらネギを待っていた。
「それにしても、世界樹の魔力を断ち切るとは……あの槍はどんなものなのですか?」
「魔力の流れを断ち切る槍、としか言えんな」
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