第111話
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手を差し伸べる。」
三人はそれぞれ自分の思いを口にする。
三人とも別々の思いを言っているように聞こえるが、根本的な所はほとんど一緒だ。
それはアニェーゼを助けると言う所だ。
そこに気がついているのか、まだ信じられないような顔をしている。
オルソラは手に持っている天使の杖をアニェーゼに渡す。
「これは貴女様の杖でございます。」
それを受け取ったアニェーゼは愛用の杖を強く握りしめる。
「さぁ、行きましょう。
きっと、皆さまもアニェーゼさんが戻ってくるのを待っているでございますよ。」
アニェーゼはローマ正教の人間だ。
ローマ正教の敵である学園都市などを潰す為なら、幾らでもこの身体を犠牲にする覚悟があった。
だが、それ以上に大きな思いがあった。
それはルチアやアンジェレネ、他のシスター達の面倒を見ていきたいという思いだった。
彼女達と過ごす生活は大変であったが、楽しい毎日だった。
アニェーゼは上条達の後について行く。
自分の仲間達と出会う為に。
「私が出てきた所で、ビオージアが健在な限り、彼女達がどう動くかは分からねえですよ。」
氷の通路を走りながら、アニェーゼは言う。
彼女はイタリア語だと丁寧な喋り方になるのだが、日本語だと少し荒っぽくなる。
「その事なんだけどな。
ビオージアはよく分からない影に攫われたんだよ。」
「どういう事でございますか?」
一同は上条の説明を聞いて、足を止める。
「インデックス達と別れてから、何とか合流しようと走っていたら、ビオージアが俺を襲撃しに来たんだよ。
まぁ、色々あって下の階に落ちて上を見上げたら、何かの影に連れて行かれたんだ。」
上条はあの時の状況を三人に説明する。
「もしかして、天草式の皆さまが何か魔術霊装を使ったのでございましょうか?」
「それなら、『女王艦隊』に接近する時に使っている筈だよ。」
その時、旗艦が大きく揺れる。
「それにこの揺れ。
一体何が起こっているんだ?」
「外に出て確認した方が早いと思うですよ。
ここで考えていても答えは出ねえと思いますよ。」
アニェーゼの言葉に頷き、再び走り始める。
外で何が起こっているのかを確かめるために。
「おいおい、どうなっているのよ。
これもビオージアが用意した霊装なのか?」
建宮は海面から出てきている足を見て呟いた。
その足は近くにある『女王艦隊』を襲っている。
艦隊の方も、その足に向かって砲弾を放っている。
「どうなっているのです。
アレは何ですか!!」
ルチアは近くのシスターに近づいて問いただす。
そのシスターも何が何だか分かっていないのか、
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