第六話 体が小さくても、心は誰よりも大きい
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です。」
なるほどな。その『掟』に感謝だな。
ジュ「先に言っておきますが、僕は『戌』の姿にもなれて、魔法も使う事が出来るんですが・・・」
シ「心配無用。俺も『子』の姿になれて、魔法使えるから。正々堂々と、勝負しようぜ☆」
そう言うと、ジュンは少し口元を緩めて、
ジュ「それを聞いて少し安心しました。」
『無邪気』な笑顔になった。が、すぐにまた『真剣』な顔になり、
ジュ「それでは、バトルスタートッ!!」
辺りにジュンの声が響き渡った。俺たちはしばらくお互いの様子を窺った。ジュンは俺よりも年下だ。本気で蹴り飛ばしたり殴り飛ばしたりしたら、怪我では済まないだろう・・・すると、
ジュ「言っておきますが、手加減は無用ですからね。これでも僕、ギルド内ではかなり実力があるんですよ。」
まるで俺の心の声を聞いていたみたいだ。そして最初に動き出したのはジュンだった。ジュンはいきなり俺の周りを円を描くように走り出した。すると、短パンのポケットから何かを取り出すと、走ったままこっちに向かって投げつけた。俺は投げつけられた物を避けながらそれが何なのか確かめる。それはパチンコ球くらいの黒い球体。それが地面の上に落ちると、なんと真っ赤な炎を上げて燃え始めた。
シ「な、何だこれっ!?」
ジュ「これは火薬玉。何かに当たった拍子に燃え盛るんです。」
ジュンが投げた火薬玉は俺を取り囲むように燃え盛り、俺は逃げ場を無くした。すると、炎の向こうで白い煙が見えた。すると、燃え盛る炎を軽々と『戌』の姿になったジュンが飛び越えた。ジュンは俺に向かって駆け出すと、口を開けて俺の左腕に噛み付いた。
シ「いぃってえええええっ!!」
思ったより歯が鋭かった。俺は左腕をぶんぶん振り回したりして、強引にジュンを離した。左腕には歯形がくっきりと残り、血が出ていた。
シ「やってくれたなぁ〜・・・」
俺は痛みに耐えながら、ポケットから五色腕輪を取り出し、紐から青い腕輪を外して右腕に付ける。両手に水を纏うと、
シ「だりゃあっ!!!」
ジュンと燃え盛る炎に向かって水をぶっ掛けた。炎はあっという間に消えて、ジュンはびしょびしょになった。そして、俺は緑と赤茶色の石のブレスレットを外した。
ボワワワワワァン。
白い煙が俺の体を包み込み、夜風で煙が晴れると、『子』の姿になった俺がいた。俺はジュン目掛けて走り出す。
ジュ「そんな小さな体で襲い掛かってきても、全然怖くないよ。」
シ「体は小さくても、心は誰よりも大きいんだっ!!」
俺は必死に小さな手足を動かして、ジュンの足のトンネルを潜り抜けた
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