1夢
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並中2−A教室。
「はあ〜今日も平和だなぁ」
夏の暑い日、うちわでパタパタとあおぎながらツナが呟く。
「ま、平和が一番なのな」
にこやかにそう言うのは、こちらもうちわでパタパタとする山本。
「10代目、暑くないですか?」
「あ、うん。大丈夫」
でもって、自分ではなくツナにパタパタする獄寺。
そして、
「面白いことないかなぁ〜」
なぜか一人だけ扇子でパタパタする私。
実はもうすぐ夏休みなもので、暑さでみんなダレてるんです。
悪いかコノヤロー。
「せめて、雲雀さんを見るくらいはしたいなぁ」
そんなことを呟いた瞬間、教室の扉が開いた。
そこから現れたのは――
「君たち、なに群れてるの?」
よっしゃー。
雲雀さん来たー。(棒読み)
あれ?
メッチャ嬉しいのに暑いせいでテンションあがらなーい。
「んな! 君がそんなこと言うから雲雀さん来ちゃったじゃん!!」
えーそんなこと言われましてもー……。
ふと教室を見渡すと……あれ?
人がいないよ?
いつの間に四人だけになったんですか?
「咬み殺す」
イコール標的は私たちな訳で。
うえっ走ってきたぁ〜っ!!
ってこら、ツナたち逃げんな!!
無我夢中で近くにあったものをつかんで攻撃を防ぐ。
ガキイィンってすごい音がしたけど、一体何を盾にして……おっ!
これはこれは。
私の兄貴が愛用してる刀ではありませぬか。
サイズもデザインも重さもすべて本物と同じ但し斬れませんよって言う京都土産。
……何でここにあるの?
「ワォ。君、面白いね」
わーい。
なんか雲雀さんとバトルできそうな予感?
二撃目に備えて刀の柄を握りしめたけど……。
「ちょっとそれ、見せてくれる?」
あれ?
来ないの?
「はい、どぞ」
私にとって両手でも重いその刀を、雲雀さんは軽々と片手で持ち上げた。
さ、さすがやなぁ。
刀身を鞘から抜き出してまじまじと見つめる雲雀さん。
「ふぅん。本物じゃないんだね」
あ、ばれた。
「返すよ」
「できれば投げないで手渡しで重いからだから投げないでってばぁーっ!!!」
キャッチの衝撃でおでこを机にぶつけた私をさておいて、雲雀さんは窓に向かって歩きだした。
え、何で窓?
て言うかバトルしないの!?
「もし君が本物の刀を手に入れたその時、そしたら今度はちゃんと楽しませてくれよ」
へ、え?
ちょっと待って!!
ここは誤解……じゃなくて五階ですよ!
なんて呼び止める間もなく飛び降りてしまった。
雲雀さー
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